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健保ニュース 2023年3月上旬号

伊佐厚労副大臣が来賓あいさつ
全世代型社会保障の構築が最重要
健保組合の意見踏まえ改革推進

伊佐進一厚生労働副大臣は2月16日の健保連総会で来賓あいさつし、「現役世代の負担上昇を抑制しつつ、負担能力に応じた公平に支え合う仕組みを強化し、すべての世代が安心できる持続可能な全世代型社会保障を構築することが何よりも重要である」と強調した。国民1人ひとりがより良い医療を享受できるよう、健保組合の意見も踏まえながら、しっかりと改革を進めていく考えを示した。健康保険制度の中核を担って尽力していることに感謝するとともに、世界に誇るべき医療保険制度を将来世代へ継承するための協力を求めた。(伊佐副大臣のあいさつ要旨は次のとおり。)




健保組合および健保連の皆さんにおかれては、健康保険制度の中核を担って、日頃より尽力いただいていることに、心よりお礼申し上げる。

また、先程の宮永会長のあいさつでも触れていただいた、この厳しいコロナ禍でも保険者機能を発揮し、健保組合の強みである母体企業との近さを生かした、加入者の皆さんの特性をとらえた予防健康づくりなど、様々な保健事業にこれまで取り組んでいただいていることに、重ねて感謝申し上げる。

わが国の人口構造は、高齢者人口が2040年頃のピークまで増え続けていく一方で、現役世代は大きく減少していくことが見込まれている。

そのため、増加する医療費について、現役世代の負担上昇を抑制しつつ、負担能力に応じた、公平に支え合う仕組みを強化し、「すべての世代の方々が安心できる持続可能な全世代型社会保障」を構築することが何よりも重要である。

次期制度改革に向けては、健保組合の皆さんの意見などをしっかりと踏まえ、昨年12月の社会保障審議会医療保険部会で以下を柱とした改革案を取りまとめた。

まず、出産育児一時金を引き上げると同時に出産費用の見える化を行い、現役世代のみならず全世代で支え合う仕組みとすること。

現役世代の後期高齢者支援金の伸び率を抑えるため、後期高齢者の保険料の伸び率と同じとすること。

被用者保険者間において負担能力に応じて公平に負担する仕組みを強化すること。さらには、健保組合の皆さんに対する総額430億円のさらなる支援も含めた制度改革案を取りまとめ、先日国会に法案を提出した。

今後、厚生労働省としては、法案の成立に向け一丸となって取り組んでいきたいと思っているので、引き続きの支援をよろしくお願い申し上げる。

また、オンライン資格確認については、データヘルス改革の基盤となるものと認識しており、引き続き導入促進を着実に進めていく。

あわせて、「マイナンバーカードと健康保険証の一体化」については、昨年10月の総合経済対策に、令和6年秋に健康保険証の廃止をめざすことが盛り込まれた。

それを受け、デジタル大臣、総務大臣、厚生労働大臣の3大臣による「マイナンバーカードと健康保険証の一体化に関する検討会」を設置した。また、専門家ワーキンググループも設置し、健保連にも参画していただいて、健康保険証との一体化に向け議論を進めている。

いずれにしても、国民の皆さん1人ひとりがより良い医療を享受できるよう、健保組合の皆さんの意見もしっかりと踏まえながら改革を進めていくので、引き続きの協力を何卒よろしくお願い申し上げる。

最後に、昨年は健康保険法100周年の節目であり、本年は次の100年に向けた改革元年となる。この世界に誇るべき医療保険制度を、将来世代にも着実に引き継いでいくため、皆さんの協力をお願いするとともに、今後の益々の発展と健勝を祈念して、私のあいさつとする。

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