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健保ニュース 2023年新年号

3大臣が5年度薬価改定を合意
平均乖離率0.625倍超を対象
下げ48%、上げ6%、維持46%

松野博一内閣官房長官、鈴木俊一財務相および加藤勝信厚生労働相の3大臣は12月16日、令和4年薬価調査の結果や中央社会保険医療協議会の議論を踏まえ、5年度薬価改定の内容について合意した。

5年度薬価改定は、国民負担軽減の観点から、4年薬価調査の平均乖離率7.0%の0.625倍(平均乖離率4.375%)を超える品目を対象範囲とした。平均乖離率の0.625倍超を対象品目とするのは2年前の3年度薬価改定と同様の取り扱いで、全品目の69%が対象となる。

3年度薬価改定で適用した「新型コロナウイルス感染症特例(薬価の削減幅を0.8%分緩和)」の仕組みは設けないが、急激な原材料費の高騰、安定供給問題に対応するため、薬価が下がって採算がとれなくなった医薬品の薬価を引き上げる「不採算品再算定」について臨時・特例的に全1100品目を適用。

合わせて、イノベーションに配慮する観点から、市場実勢価格にもとづく薬価引き下げを猶予・緩和する「新薬創出・適応外薬解消等促進加算」の「加算額」を臨時・特例的に増額し、従前の薬価と遜色ない水準とする対応を行うこととした。

この結果、薬価が引き下がる品目は全体の48%(9300品目)、薬価が維持される品目は同46%(9000品目)、薬価が引き上がる品目は同6%(1100品目)となる。

3大臣の合意を踏まえ、中医協で具体的な議論を進めていくスケジュールとなっている。
 加藤厚労相は、同日に開催された閣議後記者会見で、「国民負担軽減とイノベーション推進を両立する薬価改定の基本的考え方は2年前を踏襲する一方、不採算品を引き上げる特例的な措置を講ずるという、メリハリを効かせた見直しを行った」と言及。

5年薬価改定による具体的な影響額については、「まさに予算編成過程の最中であり、最終的な調整を踏まえたところで申し上げる」との意向を示した。

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