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健保ニュース 2023年新年号

臨時国会閉会で岸田首相が会見
5年度の出産一時金 8万円増の50万円に

岸田文雄首相は12月10日の第210回臨時国会の閉会に合わせて記者会見し、令和5年度政府予算編成過程の焦点の1つとなっている出産育児一時金について、「来年度から、現行の42万円から50万円へ大幅に増額する」と明言した。

また、出産育児関連用品の購入費助成や子育て支援サービスの利用負担軽減を図る10万円相当の経済的支援は、所得制限を設けることなく、来年以降も継続する意向を示した。

出産育児一時金は、健保組合などに加入する被保険者や被扶養者が出産した時に一定額を支給する健康保険法上の仕組みとして、平成6年10月に創設(支給額30万円)。被用者保険は保険料を財源とする。

医療機関における出産費用の高騰に連動し、18年10月に35万円、産科医療補償制度が創設された21年1月に原則38万円へと増額。21年10月に原則42万円に引き上げられて以降、現行の水準に据え置かれ、基礎額(40万8千円)と産科医療補償制度の掛金分(1万2千円)から構成されていた。

岸田首相は、臨時国会の会期末を迎え、総合経済対策を動かすための令和4年度第2次補正予算、将来の感染症危機から国民を守るための感染症法改正をはじめ、ほとんどすべての政府提出法案を成立させたと言及。

岸田内閣として、引き続き「こども真ん中政策」を徹底していくと強調し、妊婦や子育て家庭への伴走型の相談支援を充実させるとともに、妊婦健診時の交通費やベビー服等の育児関連用品、産後ケアなどに使える10万円相当の経済的支援について、一体的に所得制限を設けることなく、来年以降も継続する意向を示した。

さらに、来年度から、出産育児一時金を現行の42万円から50万円へ大幅に増額する方針を明言したうえで、「これは過去最高の引き上げ幅だ」と8万円の引き上げを強調した。

こうした取り組みを先行させつつ、来年4月に発足するこども家庭庁の下、政府の総力を挙げ、「こども真ん中」社会の実現に向けた道筋を来年6月までに示すと言及。将来的な予算の倍増を目指し、来年の「骨太方針」で当面の道筋を明示する考えを示した。

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