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健保ニュース 2022年11月中旬号

「総合経済対策」を閣議決定
健康保険証の廃止へ環境整備
4年度2次補正予算に30兆円

政府は10月28日の臨時閣議で、「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」を決定した。

健康保険証との一体化を加速し、令和6年秋に健康保険証の廃止をめざすための環境整備の取り組みなどを盛り込んだ。

「総合経済対策」にかかる財政支出は39.0兆円、事業規模は71.6兆円を予定する。直接的な経済押し上げ効果は、実質GDP換算4.6%程度、消費者物価上昇率は1.2%程度以上の抑制を見込んだ。

対策に必要な国費は35.6兆円で、このうち4年度第2次補正予算案に29.6兆円(一般会計29.1兆円、特別会計0.5兆円)を計上。11月中旬を目処に国会へ提出する。

「総合経済対策」は、①物価高騰・賃上げへの取り組み(財政支出12.2兆円)②円安を活かした地域の「稼ぐ力」の回復・強化(同4.8兆円)③「新しい資本主義」の加速(同6.7兆円)④国民の安全・安心の確保(同10.6兆円)⑤今後への備え(同4.7兆円)─の5本柱。

このうち、③に盛り込まれた「成長分野における大胆な投資の促進」は、「DX(デジタル・トランスフォーメーション)」の促進に向けた政策を強力に推進する。

健康保険証との一体化を加速し、6年秋に健康保険証の廃止をめざすための環境整備や戦略的な広報、自治体の支援などに取り組み、マイナンバーカードの取得を促進。

また、医療・介護分野でのDXの実現に向け、全国医療情報プラットフォームの創設等に向けた工程表の策定を進めるとともに、オンライン資格確認の用途拡大を推進する。

他方、③の「包摂社会の実現」は、「全世代型社会保障の構築を進め、少子化対策、こども・子育て世代への支援を強化するとともに、女性活躍などに取り組む」と明記。

0歳から2歳の低年齢期に焦点を当て、妊娠時から出産・子育てまで一貫した伴走型相談支援の充実を図るとともに、妊娠・出産時の関連用品の購入費助成や産前・産後ケア・一時預かり・家事支援サービス等の利用負担軽減を図る経済的支援を一体的に実施する事業を創設、継続的に実施する。

合わせて、「5年度当初予算において出産育児一時金の大幅な増額を図る」と明記した。
 経済的支援は、妊娠届出時および出生届出時を通じて計10万円相当とし、来年1月を基準日として前倒しで実施。継続的に実施するために必要な安定財源確保や効率的な事業実施方法について、年末の5年度予算編成過程で検討し、必要な措置を講ずるとした。

④に盛り込まれた「ウイズコロナ下での感染症対応の強化」では、感染症法上の措置について、高齢者・重症化リスクのある者への適切な医療の提供を中心とする考え方に立ち、保健医療体制の強化・重点化を進めるほか、都道府県による病床確保や宿泊療養施設の確保などの取り組みを支援。

また、初回接種(1・2回目接種)を完了した12歳以上の全国民を対象としたオミクロン株対応ワクチンの接種体制を整備し、接種を加速するとした。

このほか、⑤は、新型コロナウイルス感染症の感染拡大や物価高騰に引き続き万全を期すべく、「新型コロナウイルス感染症および原油価格・物価高騰対策予備費」を増額する。

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