健保ニュース
健保ニュース 2022年11月中旬号
政府予算、医療制度改革に反映
皆保険議連が加藤厚労相に「要望」
保険者機能発揮 財政支援措置など4本柱
自民党の国民皆保険を守る国会議員連盟(鈴木俊一会長)は10月28日、「全世代型社会保障の構築ならびに予算編成に対する要望」を加藤勝信厚生労働相に提出した。
議連幹事長・会長代行の丸川珠代参院議員、事務局長の村井英樹衆院議員、副幹事長の橋本岳衆院議員、幹事の渡辺孝一衆院議員、事務局次長の土田慎衆院議員が加藤厚労相へ「要望」を手交し、趣旨を説明。健保連の佐野雅宏副会長、河本滋史専務理事が同席した。
「要望」は、10月17日の同議連の第6回総会における議論を踏まえた内容で、①医療制度改革②全世代で取り組む少子化対策③医療DXの推進④健康保険組合が保険者機能を十分に発揮するための財政支援─の4本が柱。
来年度以降の医療制度改革の議論が進み、政府の予算編成作業が本格化するなか、健保組合への影響が見込まれる政策課題に適切な対応を求めている。
現役世代の負担軽減および健保組合の保険者機能の発揮促進のための措置を骨格とし、▽後期高齢者の保険料負担の見直し▽全世代で支える少子化対策▽医療DXの推進にかかる施策や拠出金負担増に対する財政支援─などを具体策にあげた。
検討課題とされた「被用者保険者間の格差是正の方策等」については、保険者機能の発揮を阻害しないよう配慮するとともに、各保険者の影響を勘案するなど慎重な検討を求めた。
政府予算と次期医療制度改革などへの反映をめざす。
同議連は10月28日、厚労省の大臣室を訪ね、「要望」の申し入れを行った。
丸川幹事長・会長代行が要望の趣旨を述べた後、村井事務局長が具体的な要望項目を説明。佐野副会長は、健保組合の厳しい財政状況や政策課題を踏まえ、現役世代の負担軽減に着目した改革や、丁寧な手順による医療DXの推進などを求めた。
また、渡辺議員は自身の地元企業の健保組合の財政悪化の状況などを紹介。土田議員は、若年者世代に見えやすい形で医療保険制度を認識してもらうことが重要と言及した。
加藤厚労相は、「現役世代の負担軽減の観点から、負担できる能力のある方に負担してもらう必要がある」と指摘。医療DXは、「一気に進めないとコストがかかってしまうのでギアを上げて取り組んでいるが、よく調整して進めたい」と語った。
さらに、健保組合への財政支援については、「健保組合全体の収支を含め考える必要があるが、かなりの組合が協会けんぽの平均保険料率に近づいてきている」などと言及し、個別組合の財政が悪化していることに理解を示した。