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健保ニュース 2022年11月中旬号

令和6年秋の健康保険証廃止
佐野副会長 具体的な工程の明示を

厚生労働省は10月28日の医療保険部会で、マイナンバーカードと健康保険証の一体化を進めるため、令和6年秋に保険証の廃止をめざし、①訪問診療・訪問看護・柔整あはき等にオンライン資格確認を導入②マイナンバーカードの取得の徹底─に取り組む方針を説明した。

何らかの事情により手元にマイナンバーカードがない者が、必要な保険診療等を受ける際の事務手続は今後検討するとした。

このうち、①は、診療を行わない柔道整復師・あん摩マッサージ指圧師・はり師・きゅう師の施術所や健診・保健指導実施機関を対象に、現在利用している保険証の資格情報の代替として、必要な資格情報のみを取得できる簡素な仕組みを構築する。

また、オンライン資格確認義務化の例外医療機関等についても、簡素な仕組みを導入し、必要な資格確認を行える方向で検討。

患者の医療・健康情報は取得せず、資格情報のみの取得となるため、4桁の暗証番号を入力しないことを基本とする仕組みを想定する。

健保連の佐野雅宏副会長は、「保険証の廃止に伴い、マイナンバーカードがない加入者が必要な保険診療を受ける際の事務手続きの対応を含め、新たな負担が発生する可能性もある」と指摘し、健保組合の事務、経費の負担に対する支援を要望。

また、「令和6年の秋に保険証を廃止する場合、時間的に大変厳しい」との認識を示したうえで、廃止に向けての具体的な工程を早急に明らかにし、保険者との協議の場の設定を含む丁寧な対応を求めた。

さらに、革新的な医薬品等の開発を促進する環境整備や、医薬品等の品質および安定供給の確保などに取り組むとした。

オンライン資格確認
運用開始施設は32%

厚生労働省は、10月23日時点の医療機関・薬局におけるオンライン資格確認の導入状況をまとめ、10月28日の医療保険部会に報告した。

それによると、オンライン資格確認の運用を開始した医療機関・薬局は7万4549施設で、全体(22万9864施設)の32.4%となることが明らかになった。

内訳は、病院(48.1%)、医科診療所(22.1%)、歯科診療所(23.5%)、薬局(55.6%)。
 都道府県別の運用開始状況をみると、▽病院は岩手(78.3%)と茨城(32.2%)▽医科診療所は宮崎(34.1%)と島根(14.3%)▽歯科診療所は宮崎(55.5%)と東京(15.9%)▽薬局は富山(74.3%)と徳島(36.1%)─のように、最高と最低で大きな地域差が生じている。

このほか、オンライン資格確認の導入を予定している、顔認証付きカードリーダーを申し込んだ医療機関等は19万2997施設で、全体の84.0%(病院94.8%、医科診療所79.8%、歯科診療所80.5%、薬局92.6%)を占めた。

このうち、院内システムの改修など、オンライン資格確認の準備が完了している医療機関等は8万7847施設で、全体の38.2%(病院53.9%、医科診療所27.7%、歯科診療所28.8%、薬局62.3%)だった。

なお、交付実施済みのマイナンバーカードは約6354万枚(人口比50.5%)で、このうち43.7%の2776万547件が健康保険証の利用を登録していた。

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