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健保ニュース 2022年10月上旬号

総合組合の3年度決算
経常収支324億円の赤字
給付費はじめ経常支出6%増

全国総合健保組合協議会(会長・高井昌史出版健保組合理事長)は、会員242組合の令和3年度決算概要をまとめ、9月21日の定例総会に報告した。

3年度の経常収支差引額は324億円の赤字を計上。前年度の黒字から反転して前年度比136.8%、1204億円の減少となり、大幅に収支が悪化した。

医療給付費(前年度比10.3%増)が大半を占める法定給付費はコロナ下の2年度に元年度より減少したが、3年度は一転して大幅増となった。そのうえ、前期高齢者納付金(同5.7%増)も大きく増加。経常収入が緩やかに増加(同2.0%増)したものの、経常支出の増加(同6.3%増)が上回った。会員組合のうち約6割相当の145組合が計738億円の赤字を計上した。

全被保険者に占める「短時間労働者被保険者数」の割合が増え続け3年度は1.5%に達しており、今年10月に社会保険の適用拡大の対象企業が広がることを踏まえ、全総協は「業種により大きく財政に影響してくる」と危機感を募らせた。

3年度の平均保険料率は前年度比0.03ポイント上昇し、過去最高の9.78%(事業主5.02%、被保険者4.76%)となった。会員組合の7%相当の18組合が保険料率を引き上げた。協会けんぽの平均保険料率10%以上の組合は94組合にのぼり、全体の約4割を占める。

このうち、協会けんぽの保険料率と同じ10%としたのは43組合(前年度比3組合増)で、これを上回る料率の10%以上~10.5%未満が32組合(同1組合減)、10.5%以上~11%未満が17組合(同3組合減)、11%以上が2組合(同1組合増)となっている。

3年度の適用状況は、被保険者数が前年度比0.4%増の648万9634人、被扶養者数は同1.7%減の402万5279人となった。

平均標準報酬月額は同0.45%増の35万5348円、平均標準賞与額は同6.3%増の84万8503円だった。

3年度決算における経常収入は、保険料収入が同2.0%増の3兆325億円、これに国庫負担金や積立金繰入などを合わせて全体で同2.0%増の3兆509億円を計上した。保険料については、コロナ特例猶予・既存猶予分として未収入額が2年度末時点で148億円にのぼっていたため、収納が進んだものの3年度末時点で15億円が未収となっている。

経常支出総額は、同6.3%増の3兆832億円を計上した。
 後期高齢者支援金や前期高齢者納付金、退職者給付拠出金など納付金の合計は同2.8%増の1兆3341億円となった。特に前期高齢者納付金が5.7%、336億円の増加と大きく増えた。

保険給付費は同9.5%増の1兆5603億円で、このうち法定給付費は同9.6%増の1兆5416億円。

3年度の義務的経費に占める拠出金負担割合は46.4%となっている。

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