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健保ニュース 2022年9月下旬号

診療報酬施設基準の届出状況
機能強化加算 診療所4%増、病院5%増
施設基準の関連報酬も増加

厚生労働省は14日、令和3年7月1日時点における医療機関と薬局の主な施設基準の届出状況をまとめ、中央社会保険医療協議会(小塩隆士会長)の総会に報告した。

平成30年度の診療報酬改定で新設された機能強化加算をはじめ、同加算の施設基準に関連する診療報酬を届け出る医療機関は、病院の地域包括診療料を除きいずれも増加ないしヨコバイで推移していた。

機能強化加算を届け出た医療機関は、診療所が前年比3.5%増の1万3888施設、病院が同5.0%増の1302施設にそれぞれ上昇した。

地域包括診療加算を届け出た診療所は同0.3%増の5873施設、地域包括診療料は診療所が同増減なしの230施設、病院が同2.0%減の48施設だった。

小児かかりつけ診療料は診療所が同3.5%増の1788施設、病院が同増減なしの1施設。在宅時医学総合管理料と施設入居時等医学総合管理料は診療所が同1.8%増の2万3006施設、病院が同4.2%増の2310施設で、機能強化加算の施設基準とされるこれらの診療報酬項目を届け出る医療機関は、概ね増加傾向となっている。

他方、平成30年度改定で新設されたオンライン診療料を届け出た医療機関は診療所が同31.9%増の6418施設、病院が同35.5%増の649施設となり、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う診療報酬上の特例措置を要因に届出医療機関数が大幅に増加した前年からさらに伸びた。

一般病棟入院基本料は、同0.7%減の57万9787床、療養病棟入院基本料は同2.1%減の20万5572床に対し、回復期リハビリテーション病棟入院料は同1.9%増の9万840床、地域包括ケア病棟入院料・医療管理料は同2.5%増の8万8020床に拡大している。

令和2年度改定で新設した、医師の働き方改革に関する取り組みを評価する地域医療体制確保加算を届け出た病院は同3.0%増の972施設まで増えた。

十分な院内感染防止対策を講じている等、歯科初診料の注1に掲げる施設基準を届け出ている診療所は同0.07%増の6万5257施設で、歯科診療所全体の約96%を占める。

平成28年度改定で新設した、かかりつけ薬剤師指導料・包括管理料を届け出ている薬局は、同3.7%増の3万3395薬局で、増加傾向にある。

健保連の松本真人理事は、「今後、次回改定に向けた議論を行う際には、現状をしっかり把握する必要がある」との認識を示したうえで、「今回の報告から、機能強化加算やオンライン診療料の届出が増えている事実は理解できるが、どの程度の割合で届出が行われているかも重要」と指摘し、分析的な視点も組み入れた資料を用意するよう厚労省に要望した。

初診時の特別料金徴収病院
4950円超が前年比で増

厚労省は、主な選定療養にかかる状況も報告した。
 入院時に差額ベッド代を徴収する病床数は前年比8.4%減の24万4695床で、1人室~4人室のいずれも前年を下回った。報告した医療機関が保有する総病床数の20.7%を占める。

1日当たり徴収額は全体平均が6613円で、前年を86円上回った。1人室8315円、2人室3151円、3人室2938円、4人室2639円となり、4人室以外は徴収額が上昇した。最高額は38万5000円、最低額は50円で、前年と同額だった。

初診時に特別料金を徴収する200床以上の病院は1164病院で、前年から1病院減少する一方、4950円超を徴収する病院は前年の689病院から741病院へと増加。平均が4063円、最高が1万1000円、最低が200円となる。

一般病床200床以上の病院は、緊急その他やむを得ない事情がある場合を除き、選定療養として特別料金を徴収することができるとされている。

平成28年度の診療報酬改定では、紹介状なく特定機能病院・一般病床500床以上の地域医療支援病院を受診した場合、初診時に5000円(再診は2500円)を負担する仕組みを導入した。

30年度改定では、対象病院を「特定機能病院および許可病床400床以上の地域医療支援病院」に拡大。令和2年度改定では、「特定機能病院および一般病床200床以上の地域医療支援病院」へと再度、対象病院を拡大した。

再診時に特別料金を徴収する200床以上の病院は同9.3%増の730病院で、徴収額は平均2499円、最高1万1000円、最低220円だった。

予約料を徴収する医療機関は同0.9%増加し797施設。平均2655円、最高3万6300円、最低20円となる。

時間外診療を求めた医療機関は同1.3%増加し、平均1598円、最高1万6500円、最低150円だった。

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