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健保ニュース 2022年9月中旬号

令和5年度予算概算要求
健保組合助成は893億円
適用拡大 満年度化で財政支援を倍増

厚生労働省の令和5年度予算概算要求にもとづく健保組合関係助成費は、総額893億4258万円(前年度当初予算比6億3654万円増)を計上した。

高齢者医療拠出金の過重な負担を軽減するための財政支援の規模は前年度当初予算と同額の820億円を設定するとともに、今年10月から施行される短時間労働者の適用拡大に伴う影響が満年度化することを踏まえ、前年度当初予算比5億4712万円増の10億4493万円へと財政支援を倍増する。

また、新型コロナウイルス感染症禍における財政支援および6年度からの第4期医療費適正化計画にかかる基幹システム改修の助成措置については、年末の予算編成過程で調整することとした。

5年度予算概算要求では、健保組合の助成費の大半を占める高齢者医療運営円滑化等補助金が736億5947万円(同6億3654万円増)。

このうち、高齢者医療支援金等負担金助成事業に730億8979万円を要求し、内訳は、▽主に健保組合の過重な拠出金負担の軽減を目的とする財政支援が前年度当初予算と同額の720億4486万円(指定組合に対する助成7.9億円含む)▽適用拡大に伴う負担増への財政支援が10億4493万円─となる。

拠出金負担の軽減措置は、支援金等負担金助成事業の720.4億円に加え、拠出金負担が特に重い保険者の負担軽減に国費を投入する特別負担調整交付金100億円(前年度当初予算と同額)を要求し、両者を合わせて820億円規模となる。

適用拡大財政支援は、現行の100人超規模の要件が導入された平成28年10月からの28年度予算、続いて29年度予算、30年度予算と適用拡大に伴う給付増への財政支援を3年間の激変緩和措置と位置づけ実施。いずれの予算も10億円台で30年度には16億円が充てられた。

令和4年度予算では、健康保険・厚生年金の適用を受ける企業規模要件が4年10月から緩和され、現行の従業員数500人超の規模が100人超へと拡大することに対応。半年分の財政影響を勘案し、5億円と設定した。

財政がひっ迫する恐れのある健保組合に対して、法定給付費所要保険料率の増加に着目して財政支援を実施。4年度は、40組合程度の交付を見込んでいる。

5年度予算概算要求は、加入者増に伴う法定給付費の増加による影響が5年度から満年度となることを踏まえ、前年度当初予算比5億4712万円増の10億4493万円と設定した。

他方、コロナ禍における財政支援と第4期医療費適正化計画にかかるシステム改修は、年末の予算編成過程で検討することとした。

3年度補正予算では、新型コロナの影響で財政運営が極めて困難となった健保組合の保健事業を補助するため、9.8億円の財政支援が措置された。

このほか、健保組合関係助成費の概算要求は、事務費負担金(26億6022万円)と特定健康診査・保健指導補助金(27億1743万円)、高齢者医療制度円滑運営事業費補助金の保険者が実施する糖尿病性腎症重症化予防事業(4765万円)は、いずれも前年度当初予算と同額としている。

高齢者医療運営円滑化等補助金の被用者保険運営円滑化推進事業「レセプト・健診情報等を活用したデータヘルスの推進事業」は、健保組合分に1億7990万円(前年度当初予算比6220万円増)を要求し、成果連動型民間委託方式(PFS)の助成対象組合の増加を見込む。

なお、PFSの助成対象組合は、3年度14組合、4年度16組合となっている。
 健保連向けのデータヘルスの推進事業は、6年度から始まる「第3期データヘルス計画」に伴い増大する事務作業の負担を補助するため、前年度当初予算比600万円増の4120万円を要求。

また、「特定保健指導等支援の共同事業(3億4858万円)」は、保険者が5年度に「第3期データヘルス計画」を作成できるよう、大都市部に保健師を設置するための費用として、前年度当初予算比2121万円増の予算を要求した。

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