HOME > けんぽれんの刊行物 > 健保ニュース > 健保ニュース 2022年8月下旬号

健保ニュース

健保ニュース 2022年8月下旬号

高血圧症の治療補助アプリ
中医協 9月からの保険適用を承認

中医協総会は3日、成人の本態性高血圧症の治療補助を使用目的とする医療機器、「CureApp HT高血圧治療補助アプリ」について、9月から保険収載することを承認した。

特定保険医療材料の保険償還価格ではなく、新規技術料で評価する。ピーク時における年間の使用患者数は7万231人で、市場規模は21.9億円と予測される。

同製品は、成人の本態性高血圧症患者に対して、患者ごとに行動変容を促し、生活習慣の修正を行うことで降圧効果を得ることを意図した医療機器。

患者が使用する患者アプリと医師が使用する医師アプリから構成され、医師はアプリで患者の血圧を閲覧し、日々の行動や診療時間外での行動を把握することでより具体的な介入を行う。

臨床試験では、生活習慣指導に加え同製品を使用した群は、生活習慣指導のみの対照群に比べ高い降圧効果が見られる有用性を示した。

成人の本態性高血圧症の治療補助を目的に同アプリを使用し、高血圧症に関する総合的な指導および治療管理を行った場合、治療開始時に「140点」を算定。また、初回の使用日の属する月から起算して6か月を限度に月1回に限り「830点」を算定する。

前回算定日から、平均して7日間のうち5日以上血圧値がアプリに入力されている場合のみ算定可能とした。

診療側の城守国斗委員(日本医師会常任理事)は、「次回改定の際は前例にとらわれず、本製品の評価について、見直しを行うことも含め検討する必要がある」と言及。

さらに、「患者への行動変容を行うようなプログラム医療機器は、導入時に特定保険医療材料としての価格、点数を設定する方法もあるし、それに加え、一定期間の使用によるアウトカム評価を導入することも必要」と重ねて主張した。

健保連の松本真人理事は、同製品の適切な運用を担保するため、薬剤との使い分けや併用について留意事項に明記するよう要望した。

けんぽれんの刊行物
KENPOREN Publication

2024年
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年