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健保ニュース 2022年8月合併号

4年度の支援金等負担金助成事業
既存分 予算超過で助成率を引下げ

厚生労働省は7月26日付で、高齢者医療への過重な拠出金負担増を緩和する令和4年度高齢者医療支援金等負担金助成事業の交付要件など取扱い要領を定め、保険局高齢者医療課長から健保組合理事長宛て通知した。

4年度の同事業は、昨年度と同様、▽既存分▽新規分▽急増分─の3種類で実施。「既存分」は予算の範囲内に収めるために助成率を引き下げる一方、「新規分」と「急増分」は助成率を引き上げる形で調整した。

通知発出後、対象組合から申請の受付を開始し、11月に交付決定の通知、12月に対象組合へ交付する予定としている。

同事業は、高齢者医療運営円滑化等補助金の大半を占める主要メニューで、健保組合等の前期高齢者納付金に着目した負担増の軽減を目的に補助金を交付する。

助成の中身は、▽総報酬に占める拠出金負担の重さ(所要保険料率)に着目した「既存分」▽前期高齢者納付金負担の伸びに着目した「新規分」▽前期高齢者納付金負担の単年度の急激な伸びに着目した「急増分」─の3事業を柱としている。

4年度の3事業全体の助成額は719.8億円。内訳は、▽既存分120.4億円(前年度比同額)▽新規分526.7億円(同29.4億円増)▽急増分72.7億円(同29.8億円減)─となる。

事業全体の助成対象は、共済組合を含めて合計991保険者で、このうち健保組合は942組合(前年度1086組合)が該当した。

助成方法は、「新規分」、「既存分」、「急増分」の優先順位で助成。「既存分」と「新規分」の両方の要件に該当する場合は、「新規分」からの交付を優先し、この分を合わせた「既存分」の実質上の助成規模は189.4億円となる。

「既存分」の助成要件は、被保険者1人当たり標準報酬総額が健保組合平均(578.6万円)を下回り、4年度の所要保険料率が組合平均(約1.63%)の1.1倍を超える部分を助成対象とする。

対象保険者の所要保険料率に応じて、1.63%の▽1.3倍を超える部分に51%(前年度60%)▽1.2倍超~1.3倍以下の部分に21%(同30%)▽1.1倍超~1.2倍以下の部分に約2.34%(同約3.63%)─の助成率を設定。

前年度と同様の助成率の場合、補助金の所要額が予算を超過するため、「新規分」との重複部分控除後の所要額が予算の範囲内となるよう、前年度の基準から1.3倍超と1.2倍超~1.3倍以下の部分は約9%、1.1倍超~1.2倍以下の部分は1.29%をそれぞれ引き下げた。

「新規分」は、加入者1人当たりの前期納付金について、団塊の世代が後期高齢者に移行する前の平成23年度から令和4年度への伸び率が、▽2.5倍超の部分に80%(前年度71%)▽2.0倍超~2.5倍以下の部分に60%(同51%)▽1.5倍超~2.0倍以下の部分に40%(同31%)▽1.35倍超~1.5倍以下の部分に20%(同11%)▽1.2倍超~1.35倍以下の部分に約10.17%(同約2.24%)─を助成する。

「新規分」と「急増分」は合計が予算額の599.4億円となるよう助成率を引き上げる。「新規分」は、前年度の基準から1.2倍超~1.35倍以下の部分は約7.93%、それ以外の部分は9%をそれぞれ引き上げた。

比較の起点とする平成23年度の前期納付金は、単年度による負担の偏りを均すため、22年度と23年度の2年度平均とする。23年4月1日以降に設立した健保組合は、令和4年度までの伸び率が設定できないため、4年度の所要保険料率が健保組合平均の1.63%以上を要件に前期納付金の0.5%相当額を助成する。

所要保険料率が全健保組合の下位3%(0.498%)に該当する保険者は対象外とした。
 「急増分」は、加入者1人当たり前期納付金について、3年度から4年度の伸び率が1.1倍超または2年度および3年度の平均値から4年度への伸び率が1.05倍超のうち高い方を適用する。

伸び率が、▽2.0倍を超える部分に80%(前年度70%)▽1.5倍超~2.0倍以下の部分に60%(同50%)▽1.1倍超(または2年平均で1.05倍超)~1.5倍以下の部分に40%(前年度30%)─を助成。前年度の基準から助成率をそれぞれ10%引き上げた。

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