健保ニュース
健保ニュース 2022年7月中旬号
支払基金が3年度診療報酬を確定
前年度比 件数10.2%増、金額8%増
金額はコロナ前比4.7%増に
社会保険診療報酬支払基金(神田裕二理事長)は6月29日の記者会見で、令和3年度の診療報酬確定状況を公表した。件数は前年度比10.2%増の11億3408万件、金額は同8.0%増の13兆5822億円に上昇。新型コロナウイルス感染症が流行する前の元年度に比べ、件数は同1.3%減少する一方、金額は同4.7%増加した。医療保険の金額は同8.6%増(前々年度比4.9%増)の10兆8312億円で、コロナ禍前と比較しても伸びが大きい。健保組合は件数が同8.3%増の3億2392万件、金額が同9.2%増の3兆6866億円となり、金額は前々年度に比べ4.3%増加した。
令和3年度の診療報酬確定状況をみると、確定件数は前年度比10.2%増の11億3408万件に増加したが、新型コロナウイルス感染症が流行する前の元年度と比較すると同1.3%減少している。
制度別では、医療保険は元年度に比べ同3.3%減少したが、新型コロナの給付を行う公費(法別28)の増加により各法が同6.6%増加したため同1.3%減にとどまった。
診療種別では、歯科(前々年度比2.7%増)、訪問看護療養費(同36.6%増)を除いて元年度より減少した。
他方、確定金額は、同8.0%増の13兆5822億円に増加し、元年度と比較しても同4.7%増加している。
診療種別では、食事・生活療養費を除いて増加。金額が伸びた要因について支払基金は、医科入院は手術や医薬品の算定回数、医科入院外は小児科外来診療料や小児かかりつけ診療料の算定回数の増加をあげた。
他方、歯科は歯科疾患管理料とその加算や歯科衛生実地指導料の算定回数の増加が要因と分析。調剤は、後発医薬品調剤数量割合の高い薬局が増えたことによる調剤基本料の増加や、地域支援体制加算の算定調剤薬局数の増加が影響したと説明した。
確定状況の制度別の内訳は、医療保険で件数が同7.9%増(前々年度比3.3%減)の8億9689万件、金額が同8.6%増(同4.9%増)の10兆8312億円。確定金額は、コロナ禍前と比較しても大きく伸びている。
確定件数は、▽健保組合(前年度比8.3%増の3億2392万件)▽協会けんぽ(同7.5%増の4億7194万件)▽船員保険(同3.3%増の123万件)▽共済組合(同8.5%増の9980万件)─で、協会けんぽ分が半数超を占める。
確定金額は、▽健保組合(同9.2%増の3兆6866億円)▽協会けんぽ(同8.1%増の6兆401億円)▽船員保険(同2.9%増の186億円)▽共済組合(同9.1%増の1兆858億円)─。健保組合は被保険者(同8.9%増)に比べ被扶養者(同10.1%増)の伸びが大きく、コロナ禍前の前々年度と比較しても4.3%増加している。
診療種別の内訳をみると、医科は、件数が同11.5%増の6億231万件、金額が同9.0%増の9兆5311億円。
歯科は件数が同7.7%増の1億5687万件で金額が同5.2%増の1兆2839億円、調剤は件数が同9.0%増の3億7242万件で金額が同5.5%増の2兆5326億円、食事・生活療養費は件数(再掲)が同4.5%増の796万件で金額が同1.6%減の974億円、訪問看護療養費は件数が同15.7%増の248万件で金額が同18.2%増の1371億円だった。
健保組合の診療種別をみると、医科は件数が同8.3%増の1億6833万件で金額が同10.7%増の2兆5324億円、歯科は件数が同7.4%増の5007万件で金額が同5.3%増の4257億円、調剤は件数が同8.7%増の1億522万件で金額が同6.5%増の7047億円、食事・生活療養費は件数(再掲)が同5.1%増の188万件で金額が同1.1%増の85億円、訪問看護療養費は件数が同15.7%増の29万件で金額が同14.5%増の153億円となる。
協会けんぽは、▽医科(件数7.7%増の2億4800万件、金額9.2%増の4兆2556億円)▽歯科(件数6.8%増の6902万件、金額4.7%増の6176億円)▽調剤(件数7.6%増の1億5449万件、金額6.0%増の1兆1245億円)▽食事・生活療養費(件数4.5%増の334万件、金額0.1%減の178億円)▽訪問看護療養費(件数16.0%増の44万件、金額16.5%増の245億円)─だった。