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健保ニュース 2022年7月上旬号

第8次医療計画等に関する検討会
外来医療計画の検討に着手

第8次医療計画等に関する検討会(座長・遠藤久夫学習院大学経済学部教授)は6月15日、令和6年度からの次期医療計画の策定に向けて外来医療の提供体制に関し定める外来医療計画の検討に着手した。

▽人材配置▽医療機器の効率的な活用─といった地域の医療資源をテーマに議論。次回以降、▽紹介受診重点医療機関の明確化を踏まえた今後の外来医療の提供体制▽外来医療機能の見える化─の外来医療の機能分化・連携強化をテーマとする。このうち今後の外来医療の提供体制では、かかりつけ医機能の強化についても議論する。9月頃から2巡目の議論を行い、年内に取りまとめる。

この日の会合でテーマとされた「人材配置」については、①2次医療圏ごとの人口推計や外来患者数推計などを踏まえた次期外来医療計画の策定②訪問診療、初期救急をはじめとする地域が必要とする医療機能を担う外来医師などの偏在対策のあり方や実効性の確保─が論点となった。

地域ごとに性、年齢階級による差異を調整した外来医師偏在指標を用いて、2次医療圏単位で外来医師多数地域が示され、主に大都市圏や西日本で多かった。逆に、外来医師多数区域のない都道府県は、青森、岩手、秋田、山形、福島、茨城、千葉、神奈川、新潟、富山の10県で東北地方に偏っている。

全国の患者数の推移は、外来患者は7年をピークに減少が見込まれる。
 一方、在宅患者は22年以降が、救急搬送件数は17年がピークと見込まれ、依然として増加傾向にある。外来医師多数地域が存在しない10県を除く37都道府県で、新規開業希望者に対し、不足する医療機能を担うことへの要請を行っていたのは25、要請していないのは9で4分の1を占める。

他方、「医療機器の効率的な活用」については、▽CT、MRIなどの高額医療機器のより効率的な共同利用のあり方▽共同利用計画の策定や協議の場での確認を着実に進めるための方策─が論点となった。

外来医療計画により2年度から、医療機関はCT、MRIなどの医療機器を購入する場合に共同利用計画を作成することとされ、都道府県は外来医療の協議の場における共同利用計画の確認、情報公表を行うこととされている。

政府の「新経済・財政再生計画改革工程表2021」では、共同利用計画を策定した医療機関を4年度末までに1000件以上、共同利用計画を協議の場で確認した都道府県の割合を100%とするKPIが設定されたが、それぞれ4年3月時点で583件、69%と、目標との開きがみられる。

健保連の河本滋史常務理事は、中島誠構成員(全国健康保険協会理事)と同様に、外来医療の提供体制とかかりつけ医機能の制度整理は切り離して考えることはできないと主張。かかりつけ医機能の議論を迅速に進めるよう要請した。

高額医療機器については、共同利用計画の策定や都道府県の協議の場での確認といった現状の見える化に加え、共同利用計画の提出を原則とするよう求めた。

医療関係の構成員は、医薬品をはじめ高額な医療が行われていることを指摘し、CT、MRIの共同利用に疑問を呈した。

こうした声に伊原和人医政局長は、高額医薬品は共同利用に向かないと指摘したうえで、「医療機器に関しては限られた資源をどう効率的に使用するかという視点が必要」と強調した。

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