健保ニュース
健保ニュース 2022年6月下旬号
2年度特定健診・指導実施率、初の低下
健保組合 健診78%、指導27%
全保険者は健診53%、指導23%
厚生労働省は6月2日、令和2年度の特定健診・保健指導の実施状況を取りまとめ、公表した。
特定健診実施率は53.4%となり、制度施行(平成20年度)以降連続で伸びていた実施率が、初めて前年度比2.2ポイントの低下に転じた。また、特定保健指導実施率は22.7%となり、前年度比0.5ポイント低下した。なお、国は、5年度までに特定健診実施率70%以上、特定保健指導実施率45%以上を目標として掲げている。
全保険者における特定健診の対象者数は過去最多の5418万3746人で、このうち2893万9947人が受診した。実施率は53.4%(前年度比2.2ポイント低下)だった。
年齢階級別の実施率は45~49歳が59.9%と最も高い。性別では女性(48.0%)より男性(58.9%)の方が高かった。男女とも、60歳以上は実施率が低くなる傾向がみられる。
特定保健指導の対象者数は、特定健診受診者数の18.1%に相当する522万5668人だった。このうち保健指導を終了したのは118万6047人で、実施率は22.7%(前年度比0.5ポイント低下)となった。
年齢階級別の実施率は40~44歳が19.9%で最も低く、70~74歳が29.6%で最も高い。性別では、女性(21.6%)より男性(23.0%)の方が高かった。
健保組合の特定健診実施率は77.9%(総合74.2%、単一79.9%)となり、前年度から1.1ポイント低下した。全体の実施率と同様、制度施行以降、初めて前年度を下回った。このうち、被保険者は91.3%で前年度と同率だったが、被扶養者は43.1%で前年度から4.9ポイントと大きく低下した。
特定保健指導実施率は26.9%(総合14.7%、単一33.9%)で同0.5ポイント低下した。このうち、被保険者は27.8%で同0.8%低下したものの、被扶養者は14.6%で同0.7ポイント上昇した。
協会けんぽの特定健診実施率は52.3%で、同1.4ポイント低下した。このうち、被保険者は60.4%、被扶養者は22.3%だった。特定保健指導実施率は15.8%で同0.2ポイント上昇した。被保険者は16.1%で同0.2ポイント上昇したものの、被扶養者は9.6%で同0.2ポイント低下した。
共済組合の特定健診実施率は79.2%で、同0.3ポイント低下した。このうち、被保険者は91.6%、被扶養者は40.2%となっている。特定保健指導実施率は30.7%で、前年度と同率だった。被保険者は31.9%で同0.2ポイント低下したものの、被扶養者は11.2%で同0.8ポイント上昇した。
船員保険の特定健診実施率は51.3%で同1.6ポイント低下したものの、特定保健指導実施率は11.6%で同1.3ポイント上昇した。
市町村国保は、特定健診実施率が33.7%(同4.3ポイント低下)、特定保健指導実施率が26.9%(同2.4ポイント低下)だった。特定健診対象者数10万人以上の大規模保険者においても同様に、特定健診・特定保健指導ともに前年度から実施率が低下した。
国保組合は、特定健診実施率が45.7%で同4.1ポイント低下したものの、特定保健指導実施率は11.3%で同1.2ポイント上昇した。
また、メタボリックシンドローム該当者および予備群の減少率は平成20年度比10.9%となり、前年度から2.6ポイント減少した。国は、メタボ該当者および予備群の数を4年度までに同25%以上減少させる目標を掲げている。
「特定健診受診者のうちのメタボ該当者および予備群」の減少率は同9.6%増だが、非服薬者では同2.4%減に転じる。また、「特定健診受診者のうち、高血圧症・糖尿病・脂質異常症の治療にかかる薬剤をいずれか1種類以上服用している者」の割合は29.5%で、1種類19.2%、2種類8.6%、3種類1.8%となった。一方、「メタボ該当者および予備群のうち上記薬剤を服用している者の割合」は51.4%で、1種類30 .2%、2種類16.9%、3種類4.3%となった。
詳細については厚労省ホームページで実施状況の集計表を掲載している。