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健保ニュース 2022年6月中旬号

出産費用の保険適用に慎重論
岸田首相 支援と透明化が現実的対応

岸田文雄首相は3日の参院予算委員会で、「出産費用の保険適用は慎重に考えなければいけない点もある」と言及したうえで、出産育児一時金の引き上げによる支援と出産費用の透明化の合わせ技こそ現実的な対応との認識を示した。音喜多駿氏(日本維新の会)への答弁。

音喜多氏は、出産は保険適用外の自由診療であるため、産科医療機関は出産費用の価格設定を変更してしまうと問題視。出産育児一時金を増額しても、「いたちごっこ」で出産費用の無償化は不可能との考えを示し、出産費用に対する保険適用の導入を提案した。

仮に、出産費用が保険適用された場合、「医療保険からの給付は現在の分娩件数と出産費用を掛け合わせても2820億円、妊産婦健診は860億円、産婦健診は15.3億円という試算が出ており、財源論としても十分に実現可能性がある数字」と主張し、検討を求めた。

岸田首相は、正常分娩を保険適用することについて、過去にも病気や怪我に対して療養の給付を行う健康保険制度の基本的考え方を見直す必要があるとの議論があったと指摘。

また、出産費用に大きな地域差が生じているほか、自由に様々なサービスを選択している現実を考えると、「出産費用を保険適用することは慎重に考えなければいけない点もあるのではないか」と言及した。

そのうえで、出産育児一時金の引き上げによる支援だけでなく、実際の出産費用の透明化を図ることで経済的な負担能力等に応じてサービスを選択できるようにする合わせ技こそ現実的な対応との認識を示した。

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