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健保ニュース 2022年3月中旬号

公明党懇話会が健保連と意見交換
政策反映へ協議継続を確認
高齢者負担、かかりつけ医など課題

公明党の健康保険組合議員懇話会(会長・谷合正明参議院幹事長)は2月25日、参院議員会館内の会議室で会合を開いた。健保連など健保組合関係者と意見交換し、今後の政府の「骨太の方針2022」の決定や全世代型社会保障構築会議の議論を視野に、公明党の政策への反映を念頭に置き健保組合・健保連と継続して協議していくことを大筋確認した。

同懇話会の会合は今回で6回目。昨年10月の衆院総選挙後、新たな体制による初めての開催となった。この間、同選挙を機会に勇退した桝屋敬悟前衆院議員の後任として谷合氏が会長に就任している。

この日の会合は、健保連本部、全国総合健保組合協議会(全総協)、東京都総合健保組合協議会(東総協)の役員が出席。健保連の佐野雅宏副会長が健保組合の現状や今後の政策要望を、全総協の後藤利美専務理事が総合健保組合の実態などを説明した。

このなかで佐野副会長は、昨年の通常国会で成立した改正健保法等にもとづき今年10月に導入される後期高齢者の窓口2割負担について、基準となった所得状況による現役世代の負担軽減効果は限定的なものにとどまるため、「今回の改革で終わらせることなく、次なる改革に向けた取り組みが必要」と指摘。

今後、政府・与党の議論が本格化する「骨太の方針2022」に向けて、「後期高齢者の保険料負担、自己負担の見直しの検討をお願いしたい」と述べ、現役並み所得の後期高齢者の給付費に対する公費負担の投入も要望した。

さらに、コロナ禍で明らかになった医療提供体制の脆弱性を改善する必要があると強調。具体的な方策に「かかりつけ医制度」の構築をあげ、積極的な検討を求めた。

このほか、佐野副会長は健保組合の拠出金および給付費等の支出と保険料収入の財政動向を説明。拠出金負担は着実な増加傾向にある一方、保険料収入の基礎の標準報酬月額は横ばい、賞与額は落ち込みが続いているとして、支出と収入の格差拡大に懸念を示した。

一方、2022年度の拠出金負担が減少したことを留意点にあげた。これは、コロナ禍による受診控えの影響で20年度の医療費が減少に転じた一時的な現象によるもので、すでに医療費の伸びは回復し、団塊の世代が後期高齢者に移行し始めていることも合わせて、23年度以降の拠出金負担の増大が確実な状況であることに危機感を表した。

これらの説明を踏まえた意見交換では、出席議員からコロナ禍における医療費動向や今後の見通しが問われたほか、現役・子育て世代にとって保険料負担が重圧となっており、報酬の伸び悩みに加え拠出金負担の増加を不安視する意見などがあった。

また、竹内譲政調会長は「少子高齢化に伴う健保組合の厳しい状況は認識しており、改革に向けて努力したい」と発言。現在のコロナ禍を乗り越えることに加え、医療分野のデジタル化の推進を財源ねん出の有力策と位置づけ、「これらの政策を進めながら健保組合をサポートしていきたい。国としても健保組合がないと大変なことになる」との考えを示した。

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