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健保ニュース

健保ニュース 2022年3月上旬号

健保連・新型コロナ調査
健保組合加入者 職域接種が2割
現役世代で利用率高く

健保連は2月25日、新型コロナウイルスワクチンの接種状況や接種に対する意識および医療機関へのかかり方などを把握することを目的に実施した「新型コロナウイルス感染症拡大期における受診意識調査」の結果を発表した。

それによると、2回目の新型コロナウイルスワクチンの接種場所は、1割が職域接種会場で、健保組合加入者に限ると、倍の2割が同会場で接種していたことがわかった。健保組合加入者の接種場所のなかで、職域接種会場は3番目に多く利用されていた。

職域接種会場の利用割合は現役世代が中心で、20歳代では3割に及ぶ。
 調査は、令和3年12月に全国の20~70歳代の男女4744人を対象として、ウェブアンケート方式により実施した。

調査結果によると、ワクチン接種回数は2回が90.2%。医療従事者等や高齢者施設等の入所者等で2回目接種から6か月以上経過した人を対象に、3回目接種が3年12月から始まったばかりで、調査時点でいえばほとんどの人が受けられるワクチン接種を済ませていたといえる。接種回数1回は1.1%で、0回は8.6%だった。

年齢階級別の2回接種者の割合は、▽20歳代83.8%▽30歳代85.1%▽40歳代86.3%▽50歳代87.6%▽60歳代95.1%▽70歳代95.9%─で、年齢が高いほど接種率が高い傾向にある。1回も接種を受けていない割合が最も高かったのは30歳代(13.2%)で、40歳代(12.3%)が続いた。年齢階級で最も若い20歳代(12.2%)は3番目で、1回目接種率が3.9%と、30歳代(1.7%)、40歳代(1.4%)より高かった。

ワクチン接種場所
職域接種は全体の11%

2回目のワクチン接種の接種場所は、「市区町村が指定する集団接種会場」が34.9%で最も多く、「市区町村が指定する、普段から受診している医療機関(個別接種)」が26.8%、「市区町村が指定する、普段は受診していない医療機関(個別接種)」が20.2%、「会社・大学等が設置する職域接種会場」が11.2%などの順だった。この接種場所を年齢階級別にみると、職域接種会場での接種者の割合は、▽20歳代27.0%▽30歳代19.9%▽40歳代16.8%▽50歳代16.4%▽60歳代5.1%▽70歳代0.4%─となっており、現役世代を中心に高い割合を示した。

接種場所を加入する医療保険制度別にみると、健保組合では、「会社・大学等が設置する職域接種会場」20.0%、「市区町村が指定する集団接種会場」32.2%、「市区町村が指定する、普段から受診している医療機関(個別接種)」22.6%、「市区町村が指定する、普段は受診していない医療機関(個別接種)」が18.9%で、職域接種会場の割合が回答全体でみた場合に比べ2倍近くまで拡大した。協会けんぽでは同13.4%、同30.7%、同25.7%、同20.5%。国保では同4.3%、同39.1%、同31.0%、同20.5%などとなっている。

追加接種(3回目接種)について、2回接種者を対象に意向を聞いた結果は、「接種を受けたい」が81.3%、「接種を受けたくない」が5.3%で、「わからない」が13.5%だった。受けたくないと回答した人の理由をみると、「接種後の副反応(腕の痛み、40度近い発熱、頭痛・嘔吐、死亡等)が怖いと感じるから」が67.1%で最も多い。次いで、「新型コロナウイルスワクチンの安全性がまだ十分に検証されていないから」が36.9%だった。

この安全性への懸念は、1回も接種を受けていない未接種者が受けたくない理由で最も多く(67.7%)、それに続いて多かったのは、追加接種を敬遠するする理由で最多だった「接種後の副反応(腕の痛み、40度近い発熱、頭痛・嘔吐、死亡等)が怖いと感じるから」(53.4%)だった。

かかりつけ医「いる」
前回調査比5ポイント増

調査では、医療機関のかかり方に関する意識調査も実施した。同様の調査は2年9月に実施しており、それに続く2回目。

病気になるといつも相談し、決まって診療を受ける身近で信頼できる医師(かかりつけ医)の有無を聞いたところ、「いる」は40.4%で、前回調査から5.1ポイント増加した。「この病気ならこの先生という意味でなら、決まった医師がいる」が24.4%(前回調査比4.8ポイント減)、「いつもかかる医療機関はあるが、診察を受ける医師は決まっていない」が15.9%(同2.7ポイント減)で、これらのいずれかに該当するかかりつけの医師がいるもしくは医療機関がある割合は80.7%(同2.4ポイント減)で、そのうち83.8%はいつもかかる医療機関が一般診療所だった。

持病ありの人に限ると、かかりつけ医が「いる」割合は45.9%(同5.9ポイント増)で、回答者全体でみた場合より5ポイント上昇する。これを年齢階級別にみると、年齢が高くなるのと比例して「いる」割合が高くなる。特に60歳代は50.2%、70歳代は55.3%で、60歳以上では過半数に達した。この年代は、かかりつけの医師がいるもしくは医療機関がある割合も高く、9割となっている。

同様に、かかりつけ医の必要性についての考え方も、かかりつけ医を重視する傾向を示した。かかりつけ医が必要とする割合(「かかりつけ医は絶対に必要だと思う」(38.4%)、「かかりつけ医はどちらかと言えば必要だと思う」(49.3%))は、全体の9割に達した。

オンライン診療の利用
肯定が10ポイント優位

オンライン診療の受診経験は、「受けたことがある」が前回調査から1.3ポイント増加したものの、5.6%にとどまった。持病の有無別にオンライン診療の受診経験者の割合をみると、「持病あり」は5.4%、「持病なし」は6.3%だった。

受診経験者を年齢階級別にみると、▽20歳代が「持病あり」26.3%、「持病なし」13.0%▽30歳代が同14.5%、同5.1%▽40歳代が同7.7%、同5.8%▽50歳代が同3.8%、同3.4%▽60歳代が同2.6%、同2.7%▽70歳代が同1.9%、同1.2%で、若い年代ほど利用率が高い傾向を示し、特に「持病あり」の20歳代では4人に1人が受診経験者だった。

オンライン診療を「受けたことがある」人の診療科の内訳は、内科が47.0%で最も多く、次いでアレルギー科が10.8%、耳鼻咽喉科、皮膚科、産婦人科が同率10.1%などとなっている。

かかりつけ医が必要と回答した人を対象に、かかりつけ医によるオンライン診療に対する利用意向を聞いたところ、利用に肯定的(「とても利用したい」11.4%、「利用したい」43.6%)な回答は55.0%で、否定的(「あまり利用したいとは思わない」38.3%、「まったく利用したいとは思わない」6.7%)な回答の45.0%を10.0ポイント上回った。

調査では、新型コロナウイルス感染拡大を契機とした病気や健康への意識の変化も聞いた。意識の変化としては「以前に比べ、生活習慣病の予防に関心を持つようになると思う」が39.4%で最も多く、次いで「以前に比べ、生活習慣病以外の病気の予防や健康管理に関心を持つようになると思う」33.1%の順だった。

「特に意識は変わらないと思う」が「持病あり群」で高い(「持病あり群」36.2%、「持病なし・体調不良あり群」26.9%)一方で、「以前に比べ、医療機関を受診するかどうかを慎重に考えるようになると思う」は「持病なし・体調不良あり群」で高かった(同11.4%、同25.8%)。

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