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健保ニュース 2022年2月下旬号

効率的・効果的な実施WG
特定保健指導 アウトカム評価など論点

 厚生労働省の「第4期特定健診・特定保健指導の見直しに関する検討会」の下に設置された「効率的・効果的な実施方法等に関するワーキング・グループ」(主査・津下一代女子栄養大学特任教授)は1月25日、初会合を開き、令和6年度からスタートする第4期実施計画期間に向けた特定保健指導のあり方の検討に着手した。

厚労省はこの日の会合で、特定保健指導のあり方の検討に向けて、①ストラクチャー(構造)②プロセス(過程)③アウトカム(結果)─の3つの視点で質を評価する基本的な考え方にもとづき、それぞれ論点を提示した。

このうち、③アウトカムでは、特定保健指導対象者の身体状況の改善等に着目。身体状況の改善についての評価基準は、現在、腹囲2㎝以上かつ体重2㎏以上改善したことで特定保健指導を実施したとみなす「モデル実施」のみに設定されているが、新たなアウトカム評価の導入を含めて検討することとした。

特定保健指導のモデル実施は、第3期始動の平成30年度から積極的支援を対象に導入された。従前からの積極的支援は、支援の投入量に応じてポイントを付与し、3か月間の介入量180ポイントを評価しているが、モデル実施は、支援のポイントではなく、保険者が成果を出せる方法を企図して実施する3か月間の介入の成果として、「腹囲2㎝以上、体重2㎏以上の改善」を評価する。

また、①ストラクチャーは、特定保健指導の実施体制に着目。実施体制は、現状で直営、委託、直営と委託の組み合わせのパターンがある。モデル実施では8割の保険者が委託しているが、今後の論点として、直営や委託の体制に依らず、効果的・効率的な保健指導を実施する体制を検討する。

また、新型コロナウイルス感染症の影響もあって、ニーズが高まっているICT活用の遠隔面接の保健指導について、有効な事例の普及に向けた課題(事務負担・コスト、ICTリテラシーなど)を論点とした。

②プロセスは、保健指導の内容に着目。現在は指導時間をポイントに換算し、180ポイントの実施が要件で指導時間を評価の中心に据えている。

論点は、モデル実施の事例を踏まえ、保健指導対象者に行動変容を促し、生活習慣改善につながる効果的なアプリの活用方法などを検討する。

また、指導による対象者の行動変容に関する情報を収集し、プロセスの「見える化」を推進する。これにより蓄積されたエビデンスを生かして、対象者の特性に応じた保健指導の実施を論点とした。

同WGのメンバーは、健保連から小松原祐介組合サポート部長(保健担当)が参画。小松原部長は、ストラクチャーに関連し、企業の社食や福利厚生におけるスポーツジムを活用したモデル実施の展開など、企業とのコラボによる特定保健指導の広がりに期待した。

プロセスの「見える化」では、実際の効果よりも180ポイント達成を重視する保健指導の実施に違和感を示し、「見える化」が目的となって効果が伴わないような「ナンセンスな保健指導」とならないよう注意を促した。

アウトカムについては、「180ポイントをめざすよりも、明確な目標の2㎝・2㎏の方が効果が出ているので、2㎝・2㎏が妥当なのか別途議論してもいいが、アウトカム評価は是非導入してほしい」と述べた。

現状の180ポイント制については、途中で脱落するケースが散見されるとし、これが適切な投入量なのか、過剰でないのかを含めて根本から再考する必要性を指摘した。

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