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健保ニュース 2022年2月上旬号

4年度改定へ中医協が公聴会
重点化と適正化のメリハリを
日本航空健保組合 秋山理事長が意見陳述

中医協は1月21日、令和4年度の次期診療報酬改定に向けた公聴会をオンライン形式で開催した。

公聴会では、公募で選ばれた保険者、医療関係者、被保険者や患者の代表など12名が意見を発表し、日本航空健保組合の秋山実理事長は、健保組合の現状をはじめ、次期改定に向けた基本認識や個別意見を主張した。

秋山理事長は、経済の低迷による保険料収入の減少や高齢者医療拠出金の増加等に伴い、全体の3分の1の健保組合が赤字となっている現状を説明。日本航空健保組合も、賞与の大幅な減少等により保険料収入が大きく減少していると訴えた。

少子高齢化の進展で支え手が減少するなか、団塊の世代が75歳以上になり始め、この数年で高齢者医療拠出金は急増し、保険財政は危機的状況を迎えることは確実と言及。過重な現役世代の負担軽減へ、さらなる給付と負担の見直しを求めた。

給付の見直しに向けては、「後期高齢者が急増し始めるタイミングで行われる今回の改定は特に重要な意味を持つ」との認識を示し、「これまで以上に重点化と適正化のメリハリを利かせ、より安心・安全で効率的・効果的な医療を実現することが不可欠」と強調した。

入院と外来のいずれも、医療機能の分化・強化と連携をさらに進めるよう要望。入院は、人口構造の変化に対応して医療ニーズを過不足なく満たすことが重要との観点から、特に急性期医療において、医療資源の集約が進み、有事にも対応できる医療提供体制につながるような入院基本料の見直しを訴えた。

外来は、「患者が選んだかかりつけ医をまず受診し、必要に応じて専門医や入院へスムーズにつなげることが大切」と述べ、国や医療施設が「かかりつけ医になれる」医療機関に関する情報提供・公開を行うことが効果的との考えを示した。

コロナ治療の医療費については、「様々な特例措置が設定され、診療報酬が通常より高くなっている」と指摘し、「保険者としては保険適用された部分は責任を持って給付するが、限界はある」と言及。国の責任で対応する部分と、医療保険制度で対応する部分を、改めて整理する必要があるとした。

一方、病院の理事長は、1月12日の中医協総会に提示された一般病棟用の重症度、医療・看護必要度のシミュレーションについて、「日々、患者の治療やケアにあたっている医療従事者の現場感覚と大きな乖離がある」と問題提起した。

また、クリニックの理事長は、「コロナ禍の診療で患者と医療従事者を感染から守るためには、すべての診療所で基本的感染予防策の徹底が求められている」と述べたうえで、「既存の診療報酬ではこのコストが適正に評価されていない」と主張。

また、対面診療を前提とした医療提供体制を壊さないようなオンライン診療における診療報酬上の仕組みを喫緊の課題に位置づけた。

他方、中小企業の経営者や患者の代表者は、患者のニーズに対応したオンライン診療の普及促進などを提言した。

このほか、歯科医院の理事長は、「感染症対策は本来、初・再診料として恒久的に評価されるもの」との認識を示し、初・再診料の引き上げを要望。

また、薬局を経営する薬剤師は、かかりつけ機能の推進と逆行する「敷地内薬局」が開局されないような施策を求めた。

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