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健保ニュース 2022年1月中旬号

次期改定へ両側が個別項目に意見
支払側 医療機能の分化、連携を推進
診療側 かかりつけ機能の評価充実

中央社会保険医療協議会(小塩隆士会長)は12月24日、総会を開催し、令和4年度の次期診療報酬改定に関する個別項目の議論に向けて、支払側と診療側から具体的な意見を聴取した。両側の意見も踏まえ、次回以降、個別項目の議論を進めていく。

支払側は、健保連の松本真人理事が代表し、医療機能の分化・強化と連携のさらなる推進を図る観点から、診療報酬の重点項目や個別項目に関する具体的な考え方を説明した。

入院医療は、患者の状態と医療資源の投入量をより適切に反映できる報酬体系へと見直すことが極めて重要と指摘。

急性期は、「一般入院料1」の「重症度、医療・看護必要度」の該当患者割合の基準値を引き上げるとともに、7区分の入院料を簡素化し基準値の刻み幅を大きくすることで患者の状態に応じた評価のメリハリを強める。

また、一般病棟用「重症度、医療・看護必要度」の測定方法Ⅰを廃止しⅡに統一することで、医療従事者の負担を軽減する。

回復期は、「地域包括ケア病棟入院料・管理料」について、一般病棟から転棟した患者割合が一定以上の場合の減算措置を、許可病床400床未満の医療機関にも拡大する。また、「回復期リハビリテーション病棟入院料1・3・5」は、リハビリ実績指数が上昇していることを踏まえ、基準値を引き上げる。

慢性期は、「療養病棟入院基本料の経過措置」を4年3月末で廃止する。仮に延長する場合は、6単位を超えるリハビリテーションを入院基本料に包括するとともに、減算幅を拡大することで早期の機能転換や介護医療院への移行を促す。

外来医療は、患者と医師の双方にとって「かかりつけ関係」が明確になるよう、かかりつけ医関連の診療報酬体系を再構築する。

初診料の「機能強化加算」は、算定対象を慢性疾患等のかかりつけ患者に限定するほか、▽医療情報提供制度の「かかりつけ医機能を有する医療機関」として登録▽自院の機能に関する患者への情報提供を徹底▽一定期間内に地域包括診療料等の算定実績─等を要件化する。

オンライン診療は、適切な普及・促進に向けて、「オンライン診療料」等の算定要件を見直すとともに、患者負担に配慮しつつ、対面診療と同内容・水準で実施される行為は、医学管理料も含め対面診療との違いを踏まえた適切な報酬体系とする。

調剤は、「調剤基本料」と「調剤料」は最低限の水準で一本化し、地域への貢献、高度な調製、充実した医学的管理指導といった付加価値をより重視した報酬体系へと見直す。

医薬品の適切な使用の推進は、市販品類似薬について網羅的に医療用医薬品としての必要性を再評価し、薬剤師の活用やフォーミュラリの推進と合わせて、安心・安全なセルフメディケーションや薬物治療の標準化と一体的な取り組みを進める。

診療側は医師、歯科医師、薬剤師の代表が要点を説明した。
医科については、地域における医療資源を有効活用しつつ、継続して改革を進めるために必要財源を配分すべきと主張し、初・再診料、外来診療料の引き上げや、かかりつけ医機能のさらなる評価を求めた。

歯科も初・再診料の引き上げやかかりつけ歯科医機能の適切な評価、調剤は薬剤師・薬局によるかかりつけ機能の発揮などの取り組みに対する評価が必要とした。

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