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健保ニュース 2022年新年号

原価計算方式の透明性確保など
中医協 4年度薬価制度改革の骨子

中医協は12月22日、令和4年度薬価制度改革の骨子をまとめた。
 薬価の透明性を確保する観点から、原価計算方式における製造原価の開示度が50%未満の加算係数を厳格化するほか、新薬創出・適応外薬解消等促進加算の企業区分について、加算係数が最も低い「企業区分Ⅲ」の対象範囲を拡大し、適正化を図る。

4年度薬価制度改革の骨子は、①革新的な医薬品のイノベーション評価②国民皆保険の持続性確保の観点からの適正化③医薬品の安定供給の確保、薬価の透明性・予見性の確保④その他─が大きな柱。

このうち、①は、新薬創出等加算対象外の既収載医薬品について、有用性加算等に相当する効能・効果等が追加された場合、対象領域等の一定要件を付したうえで加算対象に追加する。

また、②は、長期収載医薬品の薬価の適正化を図る観点から、一定期間を経ても後発医薬品への置換えが図られていない場合の「特例引き下げ(Z2)」および「補完的引き下げ(C)」について、置換え率を厳格化。

引き下げ率▲2.0%の置換え率は「60%未満」、▲1.75%の置換え率は「60%以上80%未満」にそれぞれ10%引き上げる。引き下げ率▲1.5%は置換率が80%以上の場合に適用することとした。

他方、新薬創出等加算の適正化として、加算係数が「0.8」と最も低い「企業区分Ⅲ」の対象範囲を現行の「0pt」から「2pt以下」に拡大し、企業数のバランスを見直す。

③は、原価計算方式における製造原価の開示度を向上するため、海外からの移転価格は合理的な理由がある場合を除き、他国への移転価格(最低価格)を上限とする運用を明確化。

さらに、開示度50%未満の場合に適用している現行の加算係数(0.2)では開示が進んでいない状況を踏まえ、加算係数を「0」へと厳格化する。

また、移転価格として日本に導入される品目にかかる営業利益率の適切な水準を把握するため、一定期間、移転価格として日本に導入される品目のメーカーに、必要な営業利益率に関するデータの提出協力も求める。

他方、市場拡大再算定の対象となる品目の類似品にかかる再算定ルールについて、対象品目の引き下げ適用日の翌日から起算して4年を経過するまでの間、1回に限り、対象から除外することとした。

④は、年間1500億円の市場規模を超える見込みの高額医薬品が承認された場合、直ちに中医協総会に報告し、当該品目の承認内容や試験成績などに留意しつつ、薬価算定方法の議論を行う対応を明示。

流通の安定のために平成12年度改定で設定された「調整幅」のあり方、診療報酬改定がない年の薬価改定のあり方についても、引き続き検討するとした。

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