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健保ニュース 2021年12月中旬号

次期改定へ中医協が厚労相に意見書
支払側は「メリハリある改定」
診療側 プラス改定しかあり得ない

中医協は10日、令和4年度診療報酬改定に関する意見を取りまとめ、後藤茂之厚生労働相に提出した。

これに先立つ8日の総会に支払側と診療側がそれぞれ提示した意見を公益委員が整理した。

意見書は、社会保障審議会医療保険・医療両部会が10日に取りまとめた「令和4年度診療報酬改定の基本方針」にもとづき、「すべての国民が質の高い医療を受け続けるために必要な取り組みについての協議を真摯に進めていく」という基本認識については、支払側と診療側の意見の一致をみたと明記。

一方、このような基本認識の下でどのように4年度改定に臨むべきかについては意見の相違が見られたとし、方向性の異なる両論を盛り込んだ。

支払側は、「4年度は診療報酬を引き上げる環境になく、国民の負担軽減につなげるべきであり、配分の見直しに主眼を置いたメリハリのある改定とする必要がある」と訴えた。

また、薬価等は、市場実勢価格の低下に伴う公定価格の引き下げ分について、「長期的に上昇し続ける負担の抑制のために還元されなければ、国民の理解は得られない」と主張した。

診療側は、国民の安全を守るためには、「地域の医療と医療従事者を支える適切な財源が必要」と指摘し、「4年度改定では薬価財源は診療報酬に充当したうえで、プラス改定しかあり得ない」と強調した。

他方、意見書は、新型コロナウイルス感染症への対応をはじめ、医療機能の分化・強化・連携など医療に関する様々な課題を解決するため、診療報酬のみならず、補助金、税制、制度改革など幅広い施策を組み合わせて講じていくことが重要と問題提起。

医療が高度化し、制度が複雑化するなかでも、できるだけ仕組みを分かりやすくし、患者の主体的な選択を可能とする医療の質を含めた情報提供を行うなど、国民の理解をいっそう深める工夫についても配慮が行われるよう望んだ。

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