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健保ニュース 2021年12月上旬号

医療保険者関係団体が次期診療報酬改定で要請書
国民負担軽減へ 「引き上げ環境にない」
配分見直し主眼にメリハリある改定を

健保連など医療保険者関係6団体は11月24日、会長・理事長・組合長の連名による令和4年度診療報酬改定に関する要請書を後藤茂之厚生労働相へ提出した。高水準の自然増を考えれば、「診療報酬を引き上げる環境になく、国民の負担軽減につなげるべき」と訴え、配分の見直しに主眼を置いたメリハリのある改定とする必要があると強調。薬価等は市場実勢価格の低下に伴う公定価格の引き下げ分について、「長期的に上昇する負担の抑制に還元されなければ国民の理解は得られない」と主張した。健保連の松本真人理事は、要請後の記者会見で、「診療報酬本体のプラス改定はない」との認識を明らかにしたうえで、「医療機能の分化・強化と連携を推進するための重点配分を行うべき」との見解を示した。

医療保険者関係団体は、「少子高齢化は確実に進み、支え手が減少するなか、令和4年度から団塊の世代が75歳に到達し始める」と指摘し、「コロナ禍でも地域医療構想で想定している人口構造と医療ニーズの変化は止まらない」と問題提起した。

このため、国民皆保険制度の長期的な持続可能性を高めつつ、新興感染症にも強い効率的・効果的な仕組みへ医療提供体制を再構築する必要があるとした。

中医協が実施した医療経済実態調査の結果を踏まえ、「診療報酬と補助金・交付金の役割分担・効果を検証し、整理することが重要」との考えも示した。

未曽有の経験から、医療機能の分化・強化と連携を推進する必要性が改めて浮き彫りになったとし、入院は急性期病床における医療資源の集約、外来は「かかりつけ医」を起点とした安心で安全な医療の確保やオンライン診療の推進などを最大の課題に位置づけた。

他方、限られた医療保険財政のなかで医療の質を高めるため、有効性・安全性を前提に経済性も考慮した処方の推進策などに、国を挙げて効果的に取り組むよう強く求めた。

令和4年度診療報酬改定に関する要請(PDF)

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