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健保ニュース 2021年10月上旬号

4年度改定基本方針を議論
基本認識に感染症対応を新設
医療保険部会

社保審・医療保険部会は9月22日、令和4年度診療報酬改定の基本方針策定に向けて議論した。前回7月29日の会合から続けて2回目の議論となるこの日は、厚労省から「改定に当たっての基本認識」と「改定の基本的視点と具体的方向性」についての素案が提示された。

「基本認識」は、改定の大きな方針を表すもので、今回は▽新型コロナウイルス感染症をはじめとする新興感染症等に対応できる医療提供体制の構築▽健康寿命の延伸、人生100年時代に向けた「全世代型社会保障」の実現▽患者・国民に身近で、どこに住んでいても適切な医療を安心して受けられる社会の実現、医師等の働き方改革の推進▽社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和─の4項目。

従前の項目をベースとしつつ、近年の社会情勢や医療を取り巻く環境を踏まえ、新型コロナなど新興感染症対応を新たに設定した。

これらを土台に改定の「基本的視点」と視点にもとづく「方向」を例示。「基本的視点」は、新興感染症対応の提供体制の構築をはじめ、医療従事者の負担軽減に向けた働き方改革、医療機能の分化・強化、連携と地域包括ケアシステムの推進、患者・国民に身近で安心・安全で質の高い医療の実現、効率化・適正化を通じた制度の安定性・持続可能性の向上の5つを柱建てとする。

健保連の佐野雅宏副会長は、「基本認識」で示された新興感染症対応の「医療提供体制の構築」との表現にとどまらず、コロナ禍で顕在化した「医療資源の散在」や「かかりつけ医への国民の期待の高まり」など提供体制の課題を踏まえ、「効果的な入院医療体制の強化」「安全・安心で効率的な外来医療体制の構築」との文言を追加するよう求めた。

これに合わせて、新興感染症対応の「視点」を踏まえた改定の「方向」についても、「入院医療の機能分化・強化、連携のさらなる推進」や、患者・国民が自らに合うかかりつけ医を選べるための「かかりつけ医機能の強化」を盛り込む必要性を指摘した。

また、「コロナ禍でも少子高齢化の傾向は変わらない」と強調し、こうした観点から、「人口・疾病構造の変化に対応し患者のニーズに沿った効率的・効果的な医療体制の構築」を前進させることや、高齢化と高額医薬品の登場による医療費の増大が見込まれることを踏まえ、「医療の効率化・適正化」「医療資源の重点配分」の趣旨を反映すべきと提起した。

本多孝一委員(経団連社会保障委員会医療・介護改革部会長)は、「基本認識」のなかでも少子高齢化の進行を踏まえ、特に「社会保障制度の安定性・持続可能性の確保、経済・財政との調和」を重視した。

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