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健保ニュース 2021年9月上旬号

厚労省・4年度予算概算要求
一般会計は過去最大33.9兆円
コロナ対策、改定率は検討事項

厚生労働省は8月26日、令和4年度予算概算要求を公表した。一般会計総額は前年度比8070億円増の33兆9450億円で過去最大を更新した。新型コロナウイルス対策は現段階で感染状況が見通せないことから、金額を明示しない「事項要求」とする扱いが目立ち、年末の予算編成過程で調整する。また、医療費の伸びに影響する診療報酬改定率も年末に決着するなど、最終的な予算額は変動する要素が含まれている。

要求段階の一般会計総額のうち、医療、年金、介護などの社会保障負担は31兆7791億円を占め、高齢化などに伴う自然増として前年度から6738億円を上積みしている。

政府全体の社会保障負担は、他府省の経費が100億円減少するため、自然増が約6600億円となる。4年度は団塊の世代が後期高齢者となり始めることから、3年度当初見込みの自然増4800億円から大きく増大する。

厚労省所管分の社会保障負担の内訳は、医療が12.1兆円、年金が12.7兆円、介護が3.3兆円、障害が2.0兆円、福祉その他が1.7兆円。

医療費国庫負担12.1兆円(前年度比3569億円増)の制度別内訳は、協会けんぽが1.2兆円(同45億円増)、国保が3.3兆円(同604億円増)、後期高齢者医療が5.6兆円(同2606億円増)の3制度合計10.2兆円(同3255億円増)のほか、公費負担医療1.9兆円(同313億円増)を見込んだ。

概算要求における主要政策は、①新型コロナの経験を踏まえた柔軟で強靭な保健・医療・介護の構築②ポストコロナに向けた「成長と雇用の好循環」の実現③子どもを産み育てやすい社会の実現④安心して暮らせる社会の構築─の4分野とする。

①では、保険者とかかりつけ医等の協働による加入者の予防健康づくりの実施や、生活習慣病予防・重症化予防の先進的なデータヘルス事例の全国展開など、健康寿命延伸に向けた予防・重症化予防・健康づくりに合計69億円を計上した。

また、オンライン資格確認を基盤としたデータヘルス改革や電子カルテ情報の標準化の推進、電子処方箋の運用に向けた環境整備、保健医療情報を自身で確認できる仕組みの構築などデータヘルス改革の推進に合計599億円を要求した。

安定的で持続可能な医療保険制度の運営確保では、被用者保険への財政支援に前年度よりも5億円多い825億円を計上し、高齢者医療拠出金の負担が過重な健保組合などに財政支援する。

④では、不妊治療の保険適用への対応を予算編成過程で検討するとした。
 消費税増収(5%→10%)を主要財源とする社会保障の充実は、税収額に加えて社会保障の重点化・効率化による財政効果も踏まえて、予算編成過程で検討する。

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