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健保ニュース 2021年9月上旬号

中医協が新型コロナ特例対応を承認
中等症患者への診療評価を拡充
救急医療管理加算 4倍、6倍に引き上げ

中医協は8月26日、持ち回りで総会を開催し、新型コロナウイルス感染症を踏まえた診療にかかる特例的な対応を承認した。

これまで、「救急医療管理加算1」の3倍、5倍の加算を算定可能とした中等症の新型コロナ患者の診療にかかる評価を4倍、6倍にそれぞれ引き上げる。8月27日から適用した。

新型コロナ患者の受け入れにかかる特例的な対応として、令和2年5月26日から、中等症の新型コロナ患者について、「救急医療管理加算1」(1日につき950点)の3倍相当(同2850点)の加算を算定可能とした。

さらに、2年9月15日から、呼吸不全管理を要する中等症Ⅱ以上の患者は、「救急医療管理加算1」の5倍相当(同4750点)の加算を算定することが可能となった。

この日の持ち回り開催では、厚生労働省が、新型コロナの感染状況・診療について、▽年齢構成が若年齢層にシフトしている▽より多くの重症化のリスク因子が明らかとなり、診療の際に注意を要する事項が増加している▽新たな知見にもとづく医薬品の使用が進んでいる─などの変化が生じていると説明した。

このため、▽多職種連携を含むより手厚い体制にかかる医療従事者のさらなる確保▽重点的な観察・頻回の検査等▽血液検査で重症化マーカーを検索・フォローし、より重篤な状況への移行の見極め─が必要との観点から、中等症患者の診療にかかる評価の拡充を提案した。

入院加療を実施している患者の診療にかかる評価は4倍(同3800点)、呼吸不全管理を要する中等症Ⅱ以上の患者の診療にかかる評価は6倍(同5700点)にそれぞれ引き上げる。

3年度に追加的に生じる国費の所要額は21億円で、政府が8月27日に閣議決定した「令和3年度一般会計新型コロナウイルス感染症対策予備費使用」から措置した。

8月27日の事務連絡の発出に合わせ、同日から適用。継続的な診療が必要な場合は理由を摘要欄に記載したうえで、15日目以降も特例報酬の算定を可能とした。

健保連の幸野庄司理事は、「重症患者の増加により、受入れ病床と人材の確保が困難な医療機関が、病床や人材を確保するために必要な費用への特例的な対応と理解する」と主張。

そのうえで、「今回の対応だけでなく、これまでの対応や診療報酬以外の措置に各医療機関が呼応し、受入れ可能病床数が着実に増加しているかについて、しっかり検証する必要がある」との考えを示した。

診療側の委員からは、「9月末を期限とする特例や経過措置、補助金の継続はもちろんのこと、すでに手当てされているものが有効に機能しているかなどの確認・修正が必要」とした。

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