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健保ニュース 2021年8月下旬号

令和3年度の支援金等負担金助成事業
拠出金軽減 予算内へ助成率を引下げ

厚生労働省は7月27日付で、高齢者医療への過重な拠出金負担増を緩和する令和3年度高齢者医療支援金等負担金助成事業の交付要件など取扱要領を定め、保険局高齢者医療課長から健保組合理事長宛て通知した。3年度の同事業については、前年度と同様の助成率にすると、補助金の所要額が予算を超過するため、全体として予算の範囲内となるよう助成率を引き下げる形で調整した。

同事業は、高齢者医療運営円滑化等補助金の大半を占める主要メニューで、健保組合等の前期高齢者納付金に着目した負担増軽減を目的に補助金を交付する。

事業の中身は、▽総報酬に占める前期納付金の割合(所要保険料率)を指標として負担増を軽減する「既存分」▽平成23年度からの前期納付金の伸び率に応じて助成する「新規分」▽前期納付金の直近の急激な伸びに対応する「急増分」─の3つを柱としている。

既存分、新規分、急増分を合わせた3年度の同事業全体の助成額は、720.3億円。内訳は、既存分が120.4億円(前年度比2.8億円減)、新規分が497.3億円(同33.3億円減)、急増分が102.5億円(同35.8億円増)。

事業全体の助成対象は、共済組合を含めて合計1150保険者で、このうち健保組合は1086組合が該当し、多くの健保組合に適用されている。

助成方法は、新規分、既存分、急増分の優先順位で充てる。既存分と新規分の両方の要件に該当する場合は、新規分からの交付を優先することから、この分を合わせた既存分の事実上の助成規模は180.6億円となる。

既存分の交付要件は、被保険者1人当たり標準報酬総額が健保組合平均(567.4万円)を下回り、3年度の所要保険料率が組合平均の1.1倍超を助成対象とする。組合平均の所要保険料率は1.80%で、この1.1倍に相当する1.98%超に該当する保険者が対象となる。

具体的に対象保険者の所要保険料率に応じて、1.80%の▽1.3倍超の部分に60%▽1.2倍超~1.3倍以下は30%▽1.1倍超~1.2倍以下は15%─と前年度と同様の区分、助成率とするが、このうち最も低い区分の15%助成については、予算の範囲内で調整することとなっており、3年度は実質3.63%助成(前年度比10.07ポイント減)とした。

新規分の交付金は、加入者1人当たりの前期納付金について、団塊世代が後期高齢者に移行前の平成23年度から令和3年度への伸び率が▽2.5倍超の部分に71%(前年度の助成率は78%)▽2倍超~2.5倍以下は51%(同58%)▽1.5倍超~2倍以下は31%(同38%)▽1.35倍超~1.5倍以下は11%(同18%)▽1.2倍超~1.35倍以下は約2.241%(同約6.974%)─を助成する。前年度と比べて最も低い区分の助成率を約4.733ポイント引き下げ、これ以外の各区分は一律7ポイント引き下げた。

比較の起点とする平成23年度の前期納付金は、単年度による負担の偏りを均すため、22、23年度の2年平均とする。この場合、23年4月1日以降に設立した健保組合は、令和3年度までの前期納付金の伸び率が設定できないため、3年度の所要保険料率が健保組合平均の1.80%を超えていることを要件に納付金の0.5%相当額を助成する。

所要保険料率が全健保組合の下位3%(0.56%以下)に該当する保険者は、財政力に照らして拠出金負担が特段重くないとみて、新規分の助成の対象外とする。

急増分の交付要件は、加入者1人当たり3年度の前期納付金について、2年度からの単年度の伸び率が1.1倍超、または元年度と2年度の2年平均からの伸び率が1.05倍超のうち高い方を適用し、具体的に伸び率が▽2倍超の部分の70%▽1.5倍超~2倍以下は50%▽1.1倍超(または2年平均で1.05倍超)~1.5倍以下は30%─を助成することとし、前年度から各区分10ポイント引き下げた。

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