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健保ニュース 2021年7月上旬号

オンライン初診の恒久化へ
厚労省検討会 今後の対応方針を決定
今秋の指針改訂へ詳細検討

厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」(山本隆一座長)は6月30日、これまでの議論や「規制改革実施計画」の内容を踏まえた今後の対応方針を取りまとめた。初診の実施を含むオンライン診療の恒久化に向けて、令和4年度の次期診療報酬改定も視野に入れつつ、取り扱いの詳細等にかかる検討を重ね、今秋を目途に「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を改訂する。

同検討会は、昨年12月21日の会合で、今年6月を目途にオンライン診療の恒久化に向けた取りまとめを行い、秋を目途に「オンライン診療の適切な実施に関する指針」を改訂する方針を決定した。今後のオンライン診療のあり方やオンライン初診における課題とその対応の方向性などについて検討を進めてきた。

5月31日に開催された前回の検討会では、初診からのオンライン診療の安全性の担保について、構成員から、「オンライン診療に適する疾患や、医師・患者の同意などの議論も必要」などの意見があった。

他方、政府が6月18日に閣議決定した「規制改革実施計画」では、かかりつけ医以外の医師が健診結果等の医学的情報で患者の状態が把握できる場合、オンライン初診の実施を容認。

さらに、医師が患者とのオンラインでのやりとりで医療履歴等の情報を把握し、相互にオンライン診療が可能と合意した場合、初診から認める方向で一定の要件を含む具体案を検討すると明記した。

また、医療提供体制におけるオンライン診療の果たす役割を明確にし、地域で幅広く適正に実施されるよう、「さらなる活用に向けた基本方針を策定し、活用の好事例の展開を進める」ことが盛り込まれた。

この日の会合では、厚労省が、これまでの議論や「規制改革実施計画」の内容を踏まえ、今後、①初診からのオンライン診療の取り扱い②オンライン診療の推進③オンライン診療の安全性・信頼性に関する事項─について検討を進めていく方針を提案した。

①は、▽初診からのオンライン診療に必要な医学的情報の詳細▽規制改革実施計画における「オンラインでのやりとり」の取り扱いの詳細や実際の運用▽初診からのオンライン診療に適さない症状・医薬品等─について検討。

また、②は、▽医療提供体制におけるオンライン診療の役割▽規制改革実施計画における「オンライン診療の更なる活用に向けた基本方針の策定」─について、③は初診・再診問わず、医師・患者の同意や不適切な事例への対応など、安全性・信頼性の担保に関するその他の論点を検討するとした。

厚労省は、「指針」の改訂に資する①と③は同検討会で議論していくとする一方、②の基本方針の策定等については、「オンライン診療を医療のなかでどう位置づけていくのかという大掛かりな議論が必要」との認識を示し、別の場で検討を進めていく意向を示唆した。

構成員からは、▽オンライン診療は患者がかかりつけ医を持つための重要なツールとなる▽大きな医療デザインのなかにオンライン診療を位置づけるべき▽オンライン診療は働き方改革の視点も重要だ▽オンライン診療の推進と同時に受療者側の意識啓発も必要だ─などの意見があり、「指針」の改訂へ対応を整理していくこととされた。

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