健保ニュース
健保ニュース 2021年7月上旬号
2年度医療費の見通し
減少幅 過去最大の▲1兆円超
コロナ禍の受診控えが影響
厚生労働省は6月25日の医療保険部会で、令和2年4月~3年2月の医療費の動向(メディアス)を報告。新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けた2年度の医療費は、前年度比で1兆円超の減少となる見通しが示された。過去最大の減少幅となる。
2年4月~3年2月まで11か月分の医療費は、前年同期比で1兆6000億円程度の減少となっている。3年3月は新型コロナの影響が表れて受診抑制が生じた昨年3月の反動からプラスとなる見込みだが、年度トータルでは1兆円を超える医療費減となる。今夏に2年度医療費を公表する予定。
これまで、医療費が前年度比で最も減少したのは、介護保険制度が創設された平成12年度で、6000億円程度のマイナスだった。ただ、これは医療保険から介護保険へ給付がシフトしたことによるもので、今回のコロナ禍における受診抑制の影響によるものとは異なる。
また、厚労省は3年3月のレセプト件数・点数の状況も示した。審査支払機関が公表しているレセプト確定件数・点数をもとに厚労省が機械的に算出したもので、前年同月比で件数が5.9%増、点数は6.7%増といずれも増加した。これはコロナの影響が表れた昨年3月からの反動でプラスに転じたと考えられる。
コロナの影響がない一昨年3月と比較すると、件数は3.8%減だが、点数は5.5%増となっており、件数は平常ベースに戻ってきていないとみられるが、点数は1件当たりが増加して、一昨年の3月と比較してもプラスとなっている。