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健保ニュース 2021年6月下旬号

規制改革実施計画を閣議決定
オンライン初診 恒久化への対応を明記
厚労省で基本方針を策定

政府は18日の臨時閣議で、「規制改革実施計画」を決定した。経済社会の構造改革を進めるうえで必要な規制のあり方の改革を推進するため、期限を定めて着実に実現を図る。

デジタル時代に対応した規制・制度の見直しを進め、秋に発足する「デジタル庁」とも連携し改革をさらに加速させていくことが重要との基本的な考えのもと、「デジタルガバメントの推進」や「デジタル時代に向けた規制の見直し」などを改革の重点分野に位置づけた。

医療・介護の改革項目は、▽医療分野におけるDX化の促進▽医薬品・医療機器提供方法の柔軟化・低コスト化▽オンライン診療・オンライン服薬指導の特例措置の恒久化▽健康保険証の直接交付─などを盛り込み、具体化に向けた取り組みを厚生労働省で進めていく。

このうち、オンライン診療・服薬指導は、新型コロナウイルス感染症が収束するまでの間、現在の初診からの実施を認める特例措置を着実に実施すると明記。そのうえで、特例措置の恒久化に向けた取り組みについて、令和3年度から検討を開始し、4年度から順次実施する方針を示した。

医療提供体制におけるオンライン診療の果たす役割を明確にし、地域で幅広く適正に実施されるよう、さらなる活用に向けた基本方針を策定し、活用の好事例の展開を進める。

オンライン診療の初診は、「かかりつけ医による実施」を原則としたが、かかりつけ以外の医師が、診療録、診療情報提供書、地域医療ネットワーク、健康診断結果などの情報により、患者の状態が把握できる場合も容認する。

かかりつけ医がいない患者や、健診結果などの情報を有さない患者については、医師が設定したオンラインのやりとりの中で医療履歴や基礎疾患の情報が把握でき、医師・患者双方がオンライン診療を可能と判断、合意した場合は、認める方向で一定の要件を含む具体案を検討。

そのうえで、「対面診療との関係を考慮し、診療報酬上の取扱いも含めて実施に向けた取り組みを進める」と明記した。

オンライン服薬指導は、患者がオンライン診療または訪問診療を受診した場合に限定しないほか、薬剤師の判断で初回からの実施も可能とすることや、介護施設等に居住する患者への実施にかかる制約を撤廃することも踏まえ、「診療報酬について検討する」と盛り込んだ。

4年夏を目途に開始するオンライン資格確認等システムを基盤とした電子処方箋システムの運用と合わせ、薬剤の配送における品質保持にかかる考え方を明らかにし、一気通貫のオンライン医療の実現に取り組む。

オンライン診療・服薬指導については、規制改革推進会議が1日に菅義偉首相に提出した「規制改革推進に関する答申」から一歩踏み込んだ改革内容を明示した。

また、「答申」では盛り込まなかった「健康保険証の直接交付」についても、「デジタル時代に向けた規制の見直し」として、「規制改革実施計画」に追記した。

保険者から事業主に送付し、事業主から被保険者に交付することが義務づけられている健康保険証について、保険者が支障ないと認めた場合、保険者から被保険者(従業員)へ直接交付することが可能となるよう、今年度中に厚生労働省令を改正する。

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