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健保ニュース 2021年5月下旬号

参院が健保法等改正案の審議開始
田村厚労相 現役の負担軽減へ改革推進

現役世代の負担増の軽減を狙いに、一定所得以上の後期高齢者の医療費自己負担2割への引き上げを柱とする健康保険法等一部改正案(「全世代対応型の社会保障制度を構築するための健康保険法等の一部を改正する法律案」)が19日、参議院で審議入りした。同日の参院本会議で田村憲久厚生労働相が同改正案の趣旨を説明し、各党代表者が質疑した。

同改正案は11日の衆院本会議で原案どおり可決、参院に送付された。当初、14日の参院審議入りも予想されたが、参院厚労委員会で先議案件の医療法等改正案の採決がずれ込んだことが審議開始の遅れに影響した。今国会の会期末は6月15日。健保法等改正案は折り返し地点に達し、会期中の成立が有力視されているものの審議日程は窮屈になってきた。立憲民主党、共産党は2割負担の導入への反対姿勢を崩していない。

19日の参院本会議には菅義偉首相も出席し、与野党6氏が質疑に立った。2割負担導入について菅首相は、「給付は高齢者中心、負担は現役世代中心の考え方を改め、全世代が安心できる社会保障制度の構築をめざす」「団塊の世代が75歳以上に移り始めるなか、高齢者も支える側になってもらうことは待ったなしだ」などと述べ、理解を求めた。

また、自民党の石田昌宏氏、日本維新の会の東徹氏、国民民主党の田村まみ氏は、健保組合の支援金負担増に伴う財政悪化の問題を取りあげ、政府の対応を質した。

これに対し田村厚労相は、「健保組合は公的医療保険の重要な担い手だ。支援金負担が特に重い健保組合には一定の公費による支援を行っている」としたうえで、「今回の改正で現役世代は720億円の負担軽減が見込まれるが、今後も持続可能な社会保障制度を確立するため、現役世代の負担軽減を含め総合的な検討を進め、さらなる改革を推進していく」と強調した。

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