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健保ニュース 2021年5月合併号

田村厚労相が社会保障改革の方向性
医療費適正化計画に実効性

田村憲久厚生労働相は4月26日に開催された経済財政諮問会議で、これからの社会保障の課題と対応の方向性を示した。

最大で1.3倍に達する1人当たり医療費の地域差を課題に位置づけ、PDCA管理の強化など、医療費適正化計画の実効性を高める方策について、見直しに向けた検討を行う方針を表明した。

この日の会合では、臨時議員として出席した田村厚労相が、「社会保障改革、少子化対策の課題と対応の方向性」と題する資料を提出し、今後の課題について、「社会保障制度の持続可能性の確保」などと整理した。

社会保障制度の持続可能性の確保に向けては、2000年度の78.4兆円から188.2兆円に上昇する2040年度の社会保障給付費の見通しを示したうえで、団塊世代が75歳以上となる2025年が目前に迫るなか、現役世代の負担上昇をできる限り抑えつつ、全世代が公平に支え合う全世代型社会保障改革のさらなる推進を図っていくとした。

医療給付費は、2018年度の38.7兆円から2025年度の47.4~47.8兆円へ伸びる見通しを示したが、2020年4月以降、コロナ禍で医療費が減少している動向に注視する必要があると指摘。

一方で、2018年度の都道府県別1人当たり医療費は、全国平均で34万3196円となり、最大で約1.3倍の地域差が生じていると問題提起した。

団塊世代の高齢化による医療費の増加も見据えつつ、都道府県別1人当たり医療費の地域差の半減など、医療費適正化の取組強化が必要との観点から、2024年からの第4期医療費適正化計画に向けて、毎年度のPDCA管理など都道府県のガバナンス強化に取り組み、計画の実効性を高める意向を示した。

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