健保ニュース 2021年3月下旬号

令和元年度健保組合事業状況調査
9割超が後発品の使用促進策
差額通知は935組合が実施

厚生労働省は、「令和元年度健康保険組合事業状況調査」の結果をまとめ、1日付の事務連絡で健保組合に報告した。

調査は、健保組合における後発医薬品の使用促進対策を初め、健診やレセプト点検の実施状況など20項目について集計しており、予算編成や事業運営などへの活用に資する内容となっている。

後発品の使用促進対策は、回答した1244組合の94.13％を占める1171組合が実施しており、内容（複数回答）は、▽後発品差額通知（935組合）▽機関誌やホームページへの掲載（878組合）▽後発品希望シールの配布（709組合）─などが多かった。

差額通知の対象者（複数回答）は、▽変更による自己負担額の軽減金額が一定額以上となる者（755組合）▽全ての調剤レセプト対象者（197組合）▽一定年齢以上の者（172組合）▽生活習慣病治療薬等（先発品）を長期服用している者（120組合）─などで多い。

通知回数は、「1回」が352組合と最も多く、次いで、「2～3回（336組合）」、「12回以上（150組合）」などの順。対象期間は、「3か月ごと」が314組合と最多で、「毎月（191組合）」、「半年ごと（182組合）」、「1年ごと（129組合）」などと続く。

支払額の減少（効果額）と差額通知にかかる費用の差額は、▽100万円以上1000万円未満（113組合）▽10万円以上100万円未満（88組合）▽1000万円以上1億円未満（53組合）─などの状況だった。

被保険者の健診対象者は「年齢基準なし」が最多

一般健康診査の受診対象者の年齢基準（複数回答）をみると、被保険者は「年齢基準なし」が489組合（回答組合の39.31％）と最も多く、次いで、「35歳以上（148組合）」、「40歳以上（111組合）」などの順だった。

一方、被扶養者は「40歳以上」が201組合（回答組合の16.16％）と最多で、「35歳以上（189組合）」、「年齢基準なし（168組合）」などと続く。

健診結果にもとづく保健指導の実施状況（複数回答）をみると、被保険者は「外部委託（外部の健診機関等）」が807組合と最も多く、次いで、「事業所で実施（307組合）」、「健保連等の共同事業で実施（277組合）」、「健保組合内で実施（227組合）」などと続く。

被扶養者は、「外部委託（647組合）」、「実施していない（228組合）」、「健保連等の共同事業で実施（149組合）」、「健保組合内で実施（95組合）」などの順だった。

実施形態（複数回答）は、被保険者は、▽文書・電話・Eメール等による指導（635組合）▽職場巡回等による個別面談（541組合）▽外部の健診機関等での個別相談（418組合）▽会場等を設け個別面談（348組合）▽ICTを活用した遠隔個別面談（330組合）─などが多い。

一方、被扶養者は、▽文書・電話・Eメール等による指導（415組合）▽外部の健診機関等での個別相談（389組合）▽家庭訪問等による個別面談（246組合）▽ICTを活用した遠隔個別面談（207組合）▽会場等を設け個別面談（168組合）─などが多かった。

がん検診の実施状況をみると、被保険者は、▽胃がん検診（実施893組合、事業主と共同実施294組合）▽肺がん検診（同773組合、同335組合）▽大腸がん検診（同911組合、同280組合）▽乳がん検診（同935組合、同186組合）▽子宮がん検診（同962組合、同169組合）▽上記以外のがん検診（同694組合、同165組合）─。

被扶養者は、▽胃がん検診（同1022組合、同60組合）▽肺がん検診（同988組合、同62組合）▽大腸がん検診（同1054組合、同55組合）▽乳がん検診（同1032組合、同50組合）▽子宮がん検診（同1061組合、同46組合）▽上記以外のがん検診（同653組合、同32組合）─だった。

レセ点、医療費通知は99％
8割超が減額査定を通知

レセプト点検を実施している組合は1231組合で、回答組合の98.95％を占めた。
　また、レセプトの再審査請求を実施している組合は1210組合（回答組合の97.27％）で、実施形態（複数回答）は、▽紙（810組合）▽紙とオンライン（309組合）▽オンライン（108組合）─の状況となっている。

医療費通知を実施している組合は1233組合で、回答組合の99.12％を占めた。また、減額査定通知を実施している組合は1029組合（回答組合の82.72％）で、対象期間は「毎月」が786組合と最も多くを占めた。