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健保ニュース 2021年1月下旬号

健保連が平成30年度健診データを分析
4割近くが「肥満該当者」
非肥満に比べ複数リスク保有

健保連はこのほど、健保組合に加入する40~74歳の健診検査値からみた健康状態に関する平成30年度調査の結果を公表した。

それによると、4割近くが「肥満該当者」で、被扶養者に比べ被保険者の割合が圧倒的に高いことが明らかになった。男性は5割、女性は2割で、男女間に2.5倍の開きが生じている。

血圧、脂質、血糖がすべて正常な割合は、「非肥満該当者」の3割強に対し、「肥満該当者」は1割弱と低い。

一方、保健指導判定値以上の該当者は、血圧3割、脂質6割、血糖3割で、年齢層が上がるにつれ割合は高くなる。

3つの検査項目のうち保健指導判定値以上に該当するリスク保有者の割合は「肥満該当者」で高く、「非肥満該当者」に比べ複数のリスクを抱えていることもわかった。

調査は、504健保組合の特定健診受診者414万1811人のデータをもとに、健診検査値の判定基準にもとづく該当者の分布状況や保健指導対象者の階層化状況から、40~74歳の健康状態について考察した。

特定健診受診者の腹囲判定別の該当者は、非肥満が61.6%、肥満が38.4%で、4割近くが「肥満該当者」となり、60歳代で高い傾向にある。

「肥満該当者」の割合は、被保険者42.1%、被扶養者18.6%。男性は50.3%、女性は20.6%だった。

血圧と脂質と血糖がすべて基準範囲内の割合は、「非肥満該当者」の31.5%に対し「肥満該当者」は6.9%と低い。

一方、健診判定値区分別の該当者割合をみると、血圧は「基準範囲内」の66.4%に対し、「保健指導判定値」は15.9%、「受診勧奨判定値」は17.7%で、保健指導判定値以上の該当者は33.6%だった。

脂質は、「基準範囲内」の38.0%に対し、保健指導判定値以上の該当者は61.9%(保健指導判定値29.8%、受診勧奨判定値32.1%)。

血糖は、「基準範囲内」の66.4%に対し、保健指導判定値以上の該当者は33.6%(保健指導判定値29.3%、受診勧奨判定値4.3%)だった。

保健指導判定値以上の該当者割合は、いずれも被扶養者に比べ被保険者で高く、年齢層が上がるにつれて高い傾向にあるが、脂質は55歳以降で被保険者より被扶養者が高かった。

血圧、脂質、血糖の3つの検査項目のうち、いずれか1つ、あるいは複数項目について保健指導判定値以上に該当する「リスク保有者」の割合をみると、「非肥満該当者」(44.5%)に比べ「肥満該当者」(77.9%)が2倍近く高い。

リスク保有者のリスク数は、「非肥満該当者」の▽リスク1つ31.2%▽リスク2つ11.4%▽リスク3つ1.9%─に対し、「肥満該当者」は、▽同36.7%▽同30.3%▽同10.9%─で、「肥満該当者」は複数のリスクを抱える割合が高く、「非肥満該当者」に比べ、「リスク2つ」は2.7倍、「リスク3つ」は5.7倍、それぞれ高かった。

被保険者の「非肥満該当者」は▽同32.7%▽同12.6%▽同2.2%─、「肥満該当者」は▽同36.7%▽同30.8%▽同11.3%─。被扶養者の「非肥満該当者」は▽同25.5%▽同6.8%▽同0.8%─、「肥満該当者」は▽同37.7%▽同23.9%▽同6.2%─で、複数リスクを抱える割合は被保険者で高くなっている。

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