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健保ニュース 2020年11月下旬号

厚労省がオンライン初診の対応案
同一医療機関 過去の受診から1年以内
健診受診や予防接種でも可

厚生労働省の「オンライン診療の適切な実施に関する指針の見直しに関する検討会」(山本隆一座長)は13日、会合を開き、初診のオンライン診療を適切に実施するための「医師・患者関係」などについて議論した。

過去の受診から1年以内の場合や、同一医療機関で1年以内に予防接種や健診を受けている場合でも、原則、初診からのオンライン診療を可能とする対応が厚労省から提案された。

構成員からは、過去の受診から1年間という期間の妥当性を指摘する意見や、予防接種から過去に受診歴のない患者の情報を得られるのかを疑問視する意見などがあがり、引き続き議論を深めていくこととした。

この日の会合では、厚労省から、初診のオンライン診療を適切に実施するための安全性・信頼性について、▽医師が患者の医学的情報を把握していることや医師・患者間の関係性が醸成されていることが重要▽医師・患者関係は、過去の受診歴などがベース─とする基本的な考え方が示された。

そのうえで、安全性・信頼性を十分確保する観点から、▽必要な対面診療の確保▽事前トリアージ▽事前説明・同意▽患者・医師双方の本人確認▽処方の制限▽研修の必修化─のルールの下でオンライン初診の実施を検討してはどうかとした。

「医師・患者関係」は、患者の医療機関(医師)への受診歴を軸に、①治療中の慢性疾患で定期受診中の患者に、新たに別の症状の診療・処方②過去に受診歴のある患者に、新たに生じた症状の診療・処方③過去に受診歴のない患者に診療④過去に受診歴のない患者に、かかりつけ医等からの情報提供を受けて、新たに生じた症状に診断・処方─を行う4つのケースに整理。

過去に受診歴のあるケース①と②は、原則、他の安全性や信頼性を確保するための要件を満たした場合は初診からオンライン診療を可能とする一方、過去の受診から12か月以上経過している場合は対面診療を受診する対応を提案した。

過去に受診歴のないケース③は、同一医療機関で12か月以内に受けた予防接種や健診から患者の状態を把握している場合、その後の初診からのオンライン診療を可能とする対応の提案のほか、勤労世代などが初診からオンライン診療を利用する場合、一定の要件を定めて安全性と信頼性を担保する対応をどのように考えるかを論点とした。

ケース④は、受診歴がない場合でも、診療情報提供書があり、紹介元がオンライン診療可能であると判断した場合や、患者が看護師といる状態で遠隔にいる専門医の診察を受ける場合(D to P with N)は、初診からオンライン診療を利用することを可能とする対応を提案した。

このほか、安全性に関するルールに位置づけられた「必要な対面診療の確保」は、▽かかりつけ医がオンライン初診を行う場合は原則、オンライン診療を実施した医師が対面診療に対応▽紹介状で専門医などがオンライン初診を行う場合は紹介元の医師が対面診療を実施─することを基本とした。

構成員からは、「対面診療が必要な期間は、過去の受診から12か月以上経過している場合で妥当なのか」、「予防接種から得られる患者の情報はわずかであり、健診とは横並びにはできないのではないか」などの意見があり、残りの安全性・信頼性に関するルールも含め、検討会として議論を継続していくとした。

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