健保ニュース
健保ニュース 2020年11月下旬号
受診時定額負担の拡大
保険財政軽減 初診料から2千円控除
また、厚労省はこの日の医療保険部会で、紹介状なしで大病院を受診した患者が支払わなければならない定額負担について、現行の5000円から2000円以上を上乗せする方向性を示した。この場合2000円を初診料から控除し、医療保険財政の負担を軽減する。
定額負担の拡大は、大病院に外来患者が集中するのを是正し、かかりつけ医機能を強化する観点から実施する。
現在、紹介状なしで特定機能病院と200床以上の地域医療支援病院を外来受診した場合、患者は法定の自己負担に加えて、初診で5000円(再診2500円)以上の定額負担を支払わなければならない。これに対して定額負担の増加額2000円については、保険給付相当分と患者負担分も含めた初診料から控除し、現行の5000円に上乗せして合計7000円以上の定額負担とする。
対象病院の拡大は、現在、選定療養の対象となっている一般病床200以上の病院とし、このなかで、高額医療機器・設備を有して特定の領域に特化する機能の外来を担うなど「医療資源を重点的に活用する外来」の施設とする方針で、厚労省の「医療計画の見直し等に関する検討会」で具体化を詰めている。
健保連の佐野雅宏副会長は、定額負担の対象病院の拡大について、「医療資源を重点的に活用する外来」のうち一般病床200床以上の病院を対象とする方針は、「外来機能の明確化」や「かかりつけ機能の強化」の方向性に沿っているとして、支持を表明した。また、「公的医療保険の負担軽減ということで、定額負担の増額分を初診料から控除することについて評価する。確実に実施してもらいたい」と述べた。