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健保ニュース 2020年11月中旬号

被用者保険関係5団体が意見書
給付と負担の見直し含む改革要望
2022年度までに確実に実行

健保連、全国健康保険協会、日本経済団体連合会、日本商工会議所、日本労働組合総連合会の被用者保険関係5団体は4日、医療保険制度改革に向けた共同の意見書を田村憲久厚生労働相宛てに提出した。後期高齢者の自己負担を原則2割とすることや高齢者医療拠出金の負担を軽減する必要性を訴え、これらの給付と負担の見直しを含む改革を、全世代型社会保障検討会議が年末に取りまとめる最終報告に反映し、遅くとも2022年度までに確実に実行するよう要望した。

健保連から佐野雅宏副会長、全国健康保険協会の安藤伸樹理事長、経団連の井上隆常務理事、日商の藤井隆太社会保障専門委員会委員、連合の石上千博副事務局長が厚労省を訪ね、濵谷浩樹保険局長に意見書を手渡した。

意見書は前段で、団塊世代が後期高齢者となって医療給付費の急増が見込まれる「2022年危機」が到来することに触れ、「医療保険制度は危機的状況にある」との現状認識を示した。

また、既に限界に達している現役世代や企業の保険料負担が可処分所得の減少や将来不安を招き、経済活動に悪影響を及ぼすことを懸念し、コロナ禍がこれに追い打ちをかけることとなったと指摘。こうした状況の下、制度の持続可能性の確保に向けた改革を着実に進める必要性を強調している。

具体的な要望項目は、▽後期高齢者の窓口負担▽拠出金負担の軽減▽医療費の適正化等▽保険者機能の強化─の4点。

後期高齢者の自己負担については、現役世代に偏った負担を見直す観点から、高齢者にも応分の負担を求める必要性を指摘したうえで、現役世代の自己負担が一律3割、70~74歳が2割(一部3割)であることや、高額療養費制度があることを踏まえ、後期高齢者も早急に原則2割とする方向で見直すべきと主張した。

拠出金負担の軽減については、現役世代の負担に過度に依存する現状の仕組みを改め、公費負担を拡充するなどして現役世代の負担を軽減し、「保険者の健全な運営に資する負担構造改革を早急に断行すべき」と主張した。

特に現役並み所得の後期高齢者の医療給付費に公費5割を投入する必要性を強調するとともに、現役並みの範囲を拡大する場合は、「拠出金負担増が生じないよう、財政支援等の負担軽減措置」を求めた。

医療保険制度改革に向けた被用者保険関係5団体の意見(PDF)

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