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健保ニュース 2020年8月下旬号

令和2年版・高齢社会白書
60歳以上 7割超が現在不安なし
就労者は4割で増加傾向

政府は7月31日の閣議で、令和2年版の高齢社会白書を決定した。新型コロナウイルスの感染拡大前の調査であるが、現在の経済的な暮らし向きについて、60歳以上の21.1%が「家計にゆとりがあり、まったく心配なく暮らしている」と回答し、「家計にあまりゆとりはないが、それほど心配なく暮らしている」が最多の54.0%を占め、合わせると約4分の3に相当する74.1%が「心配なく暮らしている」ことがわかった。収入のある仕事をしている割合は37.3%と約4割を占め、平成28年調査と比較すると4.4ポイント増加した。

高齢社会白書は、高齢社会対策基本法にもとづき毎年政府が国会に提出する年次報告書で、2年版は▽高齢化の状況▽令和元年度高齢社会対策の実施状況▽令和2年度高齢社会対策─の3つの章で構成。特集として「高齢者の経済生活に関する意識」をテーマに60歳以上の男女3000人を対象に今年1月に調査を実施し、1755人から有効回答を得た。

高齢化の状況について、令和元年10月1日現在のわが国の総人口1億2617万人のうち、「65歳以上の人口」は3589万人で、高齢化率(総人口に占める65歳以上の割合)は28.4%となっている。

「65歳以上の人口」と「15歳~64歳(現役世代)人口」の比率をみると、昭和25年には65歳以上1人に対して現役世代が12.1人いたが、令和元年度には現役世代が2.1人となっている。令和47年(2065年)には65歳以上1人に対し現役世代が1.3人になると見込まれている。

平均寿命は、平成30年現在、男性81.25年、女性87.32年となっているが、令和47年には、男性84.95年、女性91.35年となり、女性は90年を超えると推計した。

高齢者の令和元年就業率は、「60~64歳」70.3%、「65~69歳」48.4%、「70~74歳」32.2%で、10年前の平成21年と比較すると、それぞれ13.3ポイント、12.2ポイント、10.4ポイント上昇した。

特集では、経済的暮らし向きや生きがい、健康状態、社会的活動、就業意識などを調査した。

今後の生活で、経済的な面で不安なことを聞いたところ、「不安と思うことはない」が34.2%と最も多いが、「自分や家族の医療・介護の費用がかかりすぎる」30.8%、「自力で生活できなくなり、転居や有料老人ホームへの入居費用がかかる」26.0%、「収入や貯蓄が少ないため、生活費がまかなえなくなる」25.8%、「認知症などにより、財産の適正な管理ができなくなる」20.5%などがめだつ。

約4割が収入のある仕事をしており、このうちの就労形態は「パート・アルバイト」が34.3%、「自営業主・個人事業主・フリーランス」が33.0%など。仕事をする理由は、「収入がほしい」45.4%、「働くのは体に良い、老化を防ぐ」23.5%、「仕事が面白い、自分の知識・能力を生かせる」21.9%などとなっている。

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