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健保ニュース 2020年7月上旬号

新型コロナ休業で保険者算定特例
報酬急減の翌月に改定

厚生労働省は、新型コロナウイルス感染症の影響に伴う休業で報酬が著しく下がった場合、その翌月から健康保険料の算定基礎となる標準報酬月額を改定できる特例措置を講じることとし、6月24日付で、保険局保険課長から健保組合理事長あてに通知した。

今回の特例措置は、新型コロナウイルス感染症に関連した自粛要請等を契機として、休業に伴い所得が急減する被保険者が相当数生じている状況を鑑み、休業のあった者について、9月の定時決定までの間、より速やかに現状に適合した形で標準報酬月額を改定できるようにする。通常の随時改定および定時決定とは別に、臨時特例的・限定的に随時改定における保険者算定として対応する。

特例措置の対象者は、▽休業により報酬が著しく下がった月(急減月)が生じた▽急減月に支払われた報酬総額による標準報酬月額が、現在の標準報酬月額に比べて2等級以上低下した▽特例措置による改定に本人が書面で同意している─のいずれにも該当する被保険者とする。

急減月は、緊急事態宣言が発出された今年4月から7月までの4か月間のうちの1月で、急減月の翌月に改定するため、5月から定時決定前の8月までが特例改定の対象となる。

通常の随時改定による標準報酬月額の引き下げは、報酬(固定的賃金)低下月からの3か月平均による標準報酬月額が現在の標準報酬月額よりも2等級以上低下すると、翌4か月目から適用される。これに対し今回の特例措置は、3か月待たずに急減月の翌月から標準報酬月額を改定できる。

また、通常の随時改定は、固定的賃金の変動を伴うケースを要件とするが、今回の特例措置では固定的賃金の変動を不要とする。

17日以上と定められている報酬支払いの基礎日数の取り扱いについては、事業主からの休業命令や自宅待機指示などの期間中を、報酬の有無に関わらず、支払基礎日数に含める。今回の特例では賃金が支払われない場合には最低等級の標準報酬月額とする。

休業回復による特例改定も実施する。7月か8月に今回の特例改定が適用された場合は、定時決定が行われないため、今回に限り、休業回復した月(回復とは、報酬支払基礎日数が17日以上ある状態)から継続3か月間の平均報酬が2等級以上の上昇があったときは、固定的賃金の変動の有無に関わらず、改定の届け出(月額変更届)を行うこととする。

特例措置の届け出については、令和3年1月末までを受付期間とする。特例改定に必要な本人同意では、保険料額のみならず、年金給付、傷病手当金や出産手当金にも影響が生じることに十分な理解を求める。

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