健保ニュース
健保ニュース 2020年5月下旬号
全国健康保険協会運営委
協会けんぽ 2年度事業計画を了承
全国健康保険協会運営委員会はこのほど、協会けんぽの令和2年度事業計画と予算を書面審議により了承した。2年度が保険者機能強化アクションプラン(第4期)の最終年度であることを踏まえ、基盤的保険者機能を盤石なものとするとともに、戦略的保険者機能を確実に発揮することなどを基本方針とした。
主な重点施策のうち、基盤的保険者機能の関係では、社会保険診療報酬支払基金改革の効果を見据え、レセプト点検のあり方を検討する。また、柔道整復施術療養費の照会業務を強化し、多部位(施術か所が3部位以上)・頻回(施術日数が月15日以上)や負傷部位を意図的に変更して過剰受診を促す部位ころがしの申請について、加入者に対する文書照会や適正受診を啓発する。
被扶養者については、▽国内居住要件に対応した資格確認の確実な実施▽事業所からの被扶養者資格確認リストを確実に回収するため、未提出事業所への勧奨を実施─などを重視し、対象事業所からの被扶養者資格確認書の提出率を92%以上とする。
国全体で実施するオンライン資格確認の円滑な実施に向けた対応については、マイナンバーカードの被保険者証利用促進を周知する。協会けんぽが独自で実施しているオンライン資格確認については、引き続きその利用率向上に取り組む方針を示した。
戦略的保険者機能関係では、6か年計画である第2期データヘルス計画について、前半の取り組みを中間評価し、後半3年はPDCAサイクルに沿って実効性を高める。
特定健診の受診率向上に向けては、「健診・保健指導カルテ」などを活用して受診率への影響が大きいと見込まれる事業所や業態を選定し、重点的・優先的に働きかけて効果的・効率的な受診勧奨を行うほか、ナッジ理論などを活用して受診勧奨する。特定保健指導についても同様の手法で勧奨を行うとともに、健診実施機関への外部委託を進め、健診、保健指導を一貫して実施できる健診当日の初回面談を推進する。
これらの取り組みにより、▽生活習慣病予防健診受診率55.9%以上▽事業者健診データ取得率8.0%以上▽被扶養者の特定健診受診率29.5%以上▽特定保健指導の実施率20.6%以上─の達成をめざす。