健保ニュース
健保ニュース 2020年1月下旬号
循環器病対策推進協議会が初会合
第1期計画を今夏にも策定
医療計画と調和へ初回は3年間視野
厚生労働省は17日、循環器病対策推進協議会の初会合を開いた。永井良三自治医科大学学長を会長に選任し、政府が夏頃までに第1期の循環器病対策推進基本計画を閣議決定できるよう、議論を開始した。がん対策と同じように、都道府県は国の基本計画を踏まえて個別の計画を策定することになる。
議員立法の「健康寿命の延伸等を図るための脳卒中、心臓病その他の循環器病に係る対策に関する基本法(循環器病対策基本法)」が平成30年12月に成立し、令和元年12月に施行された。心疾患や脳血管疾患をはじめとする循環器病の対策を総合的、計画的に推進することが目的で、厚労大臣が基本計画の案を作成する際、協議会の意見を聴かなければならない。
計画については、少なくとも6年ごとに見直すように努めることが基本法で定められた。一方で、医療計画や介護保険事業支援計画と調和させることも基本法は求めている。そのため、第1期の期間は来年度からの3年間とし、次期の医療計画と介護保険事業支援計画に向けた議論を都道府県が開始するのに合わせて、第2期に移ることも視野に入れる。
加藤勝信厚労相は初会合の冒頭、「わが国の死因をみると、心疾患は第2位、脳血管疾患は第4位で循環器病が上位を占めている。急性発症する循環器病は再発、悪化を繰り返し、患者の生活にも多大な影響を与えている」と問題意識を示した。そのうえで、「循環器病の患者やその家族、医療や福祉の専門家、学識経験者で議論するために集まってもらった。忌たんのない意見、活発な議論を重ねて基本計画をしっかり策定していけるように力を貸してほしい」と要請した。