健保ニュース
健保ニュース 2019年10月上旬号
総合組合の平成30年度決算
平均保険料率は過去最高の9.77%
全国総合健保組合協議会(会長・高井昌史出版健保組合理事長)は、会員244組合の平成30年度決算概要をまとめ、9月25日の定例総会に報告した。30年度の経常収支差引額は877億円の黒字を計上した。3年連続の黒字決算となったが、これまでの保険料率の大幅な引き上げや高齢者医療拠出金の精算による戻りなどがプラスに働いたことが要因で、全総協では「引き続き、厳しい状況に変わりはない」と総括している。会員組合のうち約3割相当の67組合が125億円の赤字を計上した。
30年度の平均保険料率は前年度比0.02ポイント上昇し、過去最高の9.77%(事業主5.01%、被保険者4.75%)となった。会員組合の11%相当の27組合が保険料率を引き上げ、協会けんぽの平均保険料率10%以上の組合は95組合に上り、全体の約4割を占める。
このうち、協会けんぽの保険料率と同じ10%としたのは42組合(前年度比3組合減)で、これを上回る料率の10%超~10.5%未満が30組合(同2組合増)、10.5%以上~11%未満が22組合(同1組合増)、11%以上が1組合(同2組合減)となっている。
30年度決算には、今年4月1日解散の日生協健保組合と人材派遣健保組合の大規模2組合の収支は反映されていない。このため、日生協・人材派遣両健保組合が含まれていた前年度の決算に比べ収入、支出のいずれも大きく減少している。
前年度は385億円の黒字だったが、ここから日生協・人材派遣の収支を除くと黒字幅が15億円縮小し、370億円となる。
30年度の適用状況は、被保険者数が前年度比6.1%減の627万843人、被扶養者数は4.0%減の422万1490人となった。
平均標準報酬月額は3.0%増の35万2318円、平均標準賞与額は8.2%増の83万8292円だった。
30年度決算における経常収入は、大規模2組合の解散の影響から保険料収入が2兆9051億円と2.8%減少し、これに国庫負担金や積立金繰入などを合わせて全体で2.8%減の2兆9252億円を計上。前年度決算から解散2組合を除いて実態に近い形で比較すると、保険料収入は2.7%増となる。
経常支出総額は、同様に2組合の解散の影響などから保険給付費や拠出金が減少し、4.4%減の2兆8375億円を計上した。
後期高齢者支援金や前期高齢者納付金、退職者給付拠出金など納付金の合計は6.7%減の1兆2264億円となった。とくに退職者給付拠出金が81.6%減と大きく減少した。解散2組合を前年度から除くと納付金の合計は1.5%減となる。
保険給付費は3.1%減の1兆4330億円で、このうち法定給付費は3.2%減の1兆4154億円。解散2組合を除いて比較すると法定給付費は2.7%増となる。
30年度の義務的経費に占める拠出金負担割合は46.4%となっている。