健保ニュース
健保ニュース 2019年8月合併号
平成30年簡易生命表
平均寿命過去最高 男81.25年、女87.32年
がん死亡の改善わずかで女性は延び小幅
厚生労働省は7月30日、平成30年簡易生命表の概況を公表した。平均寿命は男が前年を0.16年上回る81.25年、女は0.05年上回る87.32年で、いずれも7年連続で上昇し、過去最高を更新した。ただ、女は40歳代で子宮がん、50歳代で乳がんの死亡率が上昇したことが影響し、延び幅が例年の半分以下に鈍化した。
生命表は、ある年の死亡状況が今後も変化しない前提で、あと何年生きられるかを平均余命として示すもので、全年齢の死亡状況を反映した0歳の平均余命を「平均寿命」と呼ぶ。人口推計にもとづく簡易版と国勢調査にもとづく完全版がある。
平成30年は悪性新生物による死亡率の低下で男の平均寿命を0.11年、女の平均寿命を0.01年延ばした。女性は近年、これが0.05年を超えることが多かった。別の主な死因の改善効果は、男女とも脳血管疾患が0.03年、心疾患が0.02年だった。
世界の国・地域の平均寿命を比較すると、男女とも香港が1位で、日本は男が3位、女が2位だった。
仮に悪性新生物、脳血管疾患、心疾患の3大死因を克服した場合、平均寿命を男で6.70年、女で5.55年延ばすことが期待できる。
出生者の半数が生存する年数を指す「寿命中位数」は男が84.23年、女が90.11年と推定した。65歳まで生存する割合は男89.5%に対して女94.5%、75歳まで生存する割合は男75.6%に対して女88.1%、90歳まで生存する割合は男26.5%に対して女50.5%となった。