HOME > けんぽれんの刊行物 > 健保ニュース > 健保ニュース 2019年7月下旬号

健保ニュース

健保ニュース 2019年7月下旬号

医療部会で河本常務理事が指摘

社会保障審議会の医療部会は18日、医師の養成課程を通じた偏在対策について議論した。このなかで健保連の河本滋史常務理事は、「総合診療医は地域包括ケアシステムの要であるとともに、地域偏在や診療科偏在の解消に向けてもかなりプラスになると期待している」とし、「かかりつけ医機能や総合診療に関する教育プログラムを充実する取り組みが必要」との認識を示した。

日本専門医機構による新専門医制度が昨年度に始まり、内科や外科などと並ぶ19基本領域のひとつとして、幅広い疾患の初期対応や継続的な医療を全人的に提供する「総合診療」が初めて位置づけられた。ただ、総合診療を専攻した医師は第1期が184人、第2期が179人で、全体の約2%にとどまる。

河本常務理事は、「大変残念な話。もちろん医学部生や研修医の自主的な選択が基本だが、医師の養成課程において総合診療医を増やすためのPRなどの取り組みを強化しても良いのではないか」と問題提起した。総合診療医をめざす若手医師が必ずしも多くない理由について、「ロールモデルが不在とか教育研修体制の未整備とかの指摘があると聞いている」と指摘し、「地道にしっかりと対応し、(総合診療医を増やす方向で)迅速に導いていくことが必要」と述べた。

日本医師会の釜萢敏常任理事は、「自分の専門領域を持っていたとしても、基本的に患者の訴えをしっかり受け止めて交通整理をすることは、すべての医師ができないといけない」と主張した。医学部5、6年次の臨床実習と卒後2年の臨床研修を合わせた4年間で総合的な診療能力の基礎を習得したうえで、日本医師会のかかりつけ医機能研修制度を通じて「地域包括ケアシステムに対応する医師を毎年増やしている」とも説明した。総合診療専門医の養成だけでは「必要な数を確保することは無理」とし、「すでに医師として働いている人のなかで、かかりつけ医機能を身に着けた医師を増やしたほうが現実的」と指摘した。

けんぽれんの刊行物
KENPOREN Publication

2024年
2023年
2022年
2021年
2020年
2019年
2018年
2017年
2016年
2015年
2014年
2013年
2012年
2011年
2010年