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健保ニュース 2019年6月中旬号

健保組合メンタル系疾患の動向
1人当たり入院外医療費
うつ等気分障害2883円
40~59歳の各層で平均上回る

健保連はこのほど、「平成29年度被保険者のメンタル系疾患の動向に関するレポート」を公表した。それによると、躁うつを含む気分(感情)障害の入院外1人当たり医療費は平均2883円で、年齢階級別でみると、40~59歳の各層が平均医療費を上回っていることがわかった。最も高いのは、「50~54歳」の3872円で、次いで「45~49歳」3835円、「40~44歳」3544円と続く。最も低いのは「15~19歳」の652円だった。男女別では、男性3100円、女性2470円で、男性の方が高くなっている。

同調査は、1280組合に加入する約1568万人のレセプトデータ(約1億3862万件)をもとに、分析した。

気分(感情)障害の入院外1人当たり医療費を3要素に分解すると、1日当たり医療費7857円、1件当たり日数1.5日、受診率(千人当たり件数)239.5件となっている。これを男女別にみると、1件当たり日数はともに1.5日で変わりはないが、1日当たり医療費は男性8114円、女性7305円、受診率は男性248.1件、女性223.2件と、ともに男性が高くなっている。

有病者数の動向をみると、被保険者に占める気分(感情)障害の有病者数の割合(有病率)は平均1.96%。これを月別にみると1.89%~2.05%の間で推移しているが、7月、9月、12月、3月の4か月の数値が高く、男女別にみても同様な傾向がみられる。

また、気分(感情)障害の1入院当たり医療費(推計)は28万9136円となっており、男女別では、男性29万7328円、女性26万8999円で、入院外医療費と同じく男性の方が高い。

年齢階級別の1入院当たり医療費(推計)は、「55~59歳」が32万3499円と最も高く、次いで「65~69歳」が31万3323円、「45~49歳」が30万9739円と続いている。一方、最も低いのは、「15~19歳」の23万8430円だった。

平均在院日数(推計)は42.7日で、男性45.1日、女性36.8日と男性の方が長い。

統合失調症、統合失調症型障害及び妄想型障害

統合失調症、統合失調症型障害及び妄想型障害の入院外1人当たり医療費は平均451円で、男性459円、女性437円となっており、若干男性の方が高い。1人当たり医療費を3要素に分解すると、1日当たり医療費5487円、1件当たり日数1.6日、受診率(千人当たり件数)50.6件となっている。

年齢階級別の入院外1人当たり医療費は、「40~44歳」が595円と最も高く、次いで「35~39歳」が562円、「45~49歳」が557円と続く。男女別でみると、男性は、「40~44歳」、「45~49歳」、「35~39歳」の順に高く、女性は、「40~44歳」、「35~39歳」、「30~34歳」の順で高くなっており、女性の方が比較的若い年齢層が高い傾向にある。

また、1入院当たり医療費(推計)は56万3447円となっており、男女別では、男性55万1792円、女性59万1675円で、女性の方が高い。

神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害

神経症性障害、ストレス関連障害及び身体表現性障害の入院外1人当たり医療費は平均617円で、男性563円、女性719円となっており、女性の方が高い。1人当たり医療費を3要素に分解すると、1日当たり医療費2072円、1件当たり日数1.5日、受診率(千人当たり件数)205.7件となっている。

年齢階級別の入院外1人当たり医療費は、「40~44歳」が703円と最も高く、次いで「45~49歳」が688円、「50~54歳」が687円と続く。

また、1入院当たり医療費(推計)は5万558円となっており、男女別では、男性5万426円、女性5万810円で、大きな差はみられない。

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