健保ニュース
健保ニュース 2019年5月下旬号
地域医療構想ワーキンググループ
公立・公的病院の再編は不十分
厚生労働省は16日、医療計画検討会の地域医療構想ワーキンググループで、公立・公的医療機関の病床再編プランをめぐり、調整会議での協議結果について「マクロの数として現状追認の様相を呈している」との問題認識を示した。健保連の本多伸行理事が「調整会議の議論が形骸化しているように感じる」と指摘するなど、委員からも不満の声が相次いだ。
地域医療構想の実現に向けて、公立・公的医療機関には機能の効率化・重点化が求められる。各構想区域の調整会議では再編プランを協議し、3月末までに公立・公的医療機関が保有する病床の9割以上で合意に達した。しかし、厚労省が対応方針を全国集計し、再編目標となる「2025年度見込み病床数」を一昨年度時点と比較したところ、公立は803床の減少にとどまり、公的は1002床増えると分かった。診療実績から特徴的な役割が認められないにもかかわらず、病床を温存する公立・公的医療機関もあった。
日本医師会の中川俊男副会長は、「公立・公的でないと担えない機能に特化しているかという観点での検討がほとんどされていない」と述べ、合意済みの対応方針を検証し、他施設で役割を代替可能だったり、再編統合がとくに必要な公立・公的医療機関を選定する取り組みを、厚労省に促した。本多理事は「これからデータを出して議論を進めていくということで、期限も非常に厳しいので、今後の進捗管理をしっかりやってほしい」と要望した。