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健保ニュース 2019年4月上旬号

31年度前期納付金算定政令を決定
負担調整53.6%、特別負担調整50.0%
上位12.94%の保険者が対象

政府は3月29日の閣議で、31年度の前期高齢者納付金の負担軽減措置に関する政令を決定した。

前期高齢者納付金の算定基準となる率および割合は、①過大な前期納付金を全保険者で案分する負担調整基準率を53.614%、特別負担調整基準率を50.04395%②前期高齢者加入率の下限割合を1%③前期高齢者医療の財政調整の対象外とする基準率を1.55─とした。

①は、後期高齢者支援金と前期納付金の拠出金負担額が過大となる部分の前期納付金の負担を、国費と全保険者案分により軽減する仕組み。各保険者の拠出金に法定給付費を加えた義務的支出に占める拠出金の割合が、一定率(負担調整基準率、特別負担調整基準率)を超える場合、超過分の負担を軽減し、実質的な拠出金負担率を負担調整基準率や特別負担調整基準率の水準に抑える。

このうち、負担調整基準率に該当する保険者の割合は6.02%、負担軽減措置の拡充分に当たる特別負担調整基準率に該当する保険者の割合は6.92%と決定し、負担調整と特別負担調整を合わせて上位12.94%の保険者が負担軽減の対象となる。

負担調整基準率にもとづく超過分の費用は、全額を全保険者の支え合いによる案分で賄うが、特別負担調整基準率にもとづく拡充分の費用は、2分の1を国費、2分の1を全保険者で案分する。このための国費として100億円を投入する。

特別負担調整基準率にもとづく負担軽減措置は、国費が投入されることを踏まえ、総報酬が一定額未満の財政力の弱い保険者に限定する。

具体的には前々年度の被保険者1人当たり標準報酬総額の中央値を基準に、これを下回る額を財政力の弱い保険者とみて、29年度の標準報酬総額が569万9252円未満(3月29日告示)の保険者を対象とする。

このため、財政力のある保険者については、義務的支出に占める拠出金の割合を負担調整基準率(53.614%)まで軽減し、財政力の弱い保険者については、義務的支出に占める拠出金の割合を特別負担調整基準率(50.04395%)まで軽減する。

31年度に負担調整基準率が適用される保険者は、88健保組合、13共済組合を見込む。特別負担調整基準率が適用される保険者は、115健保組合、1共済組合を予定する。

国費を除いた部分の負担軽減費用については、加入者数に応じ全保険者で案分することになっており、31年度の1人当たり案分額(負担調整対象見込み額)を195円に設定した。

案分額については、インセンティブ措置として前期高齢者給付費が低い保険者の負担を軽減する仕組みがあり、拠出金負担額が確定する2年後精算時に10%の範囲内で減算率が反映される。

減算要件は、加入者1人当たり前期高齢者給付費が最も少ない保険者から順に数え、全保険者の5%相当の保険者を対象とする。減算分の費用補てんは、減算保険者を除く全保険者の案分額に上乗せする。

29年度の1人当たり案分額は233円と決定した。これに対し、29年度1人当たり前期高齢者医療給付費が下位5%基準に該当する23万382円以下の保険者を対象に、100分の90.0516500382の減算率が適用される。

減算分の費用を補てんするための案分額への上乗せ率は、100分の100.0516111908とした。

前期高齢者加入率下限
1%適用は246組合

②前期高齢者加入率の下限割合は、全国平均の加入率よりも著しく低い保険者の前期納付金の負担が過大となることを避けるために設定し、下限割合を下回る加入率に該当する保険者は、下限割合で納付金を負担する。

31年度に1%の下限割合が適用される保険者は、246健保組合、36共済組合を見込んでいる。

財政調整対象外
23組合が該当

③財政調整対象外の基準率は、1人当たり前期高齢者給付費が全国平均に比べ著しく高い保険者について、医療費の適正化を促すことを目的に、一定率を超える部分の前期高齢者給付費を財政調整の対象から外す。

31年度の前期高齢者1人当たり平均給付費(告示)は、41万1217円と見込み、全国平均の1.55倍を超える部分を財政調整の対象から外す。

1.55基準にもとづき、調整対象外の適用を受ける保険者は、23健保組合となっている。

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