Dr.石川の12ヵ月健康チェック vol.36
テレビやラジオでおなじみの石川恭三先生(杏林大学名誉教授・医師)に季節ごとに生じやすい症状について解説していただきます。これを参考に、なるべく未然に防ぎたいですね。
3月のテーマは「春風と花粉症」です。
3月:「春風と花粉症」
春の風が軽くノックして通り抜けて行くようになりました。風はそれぞれの季節の音を持っているようです。春風は暖かい空気と一緒にスギ、ヒノキ、サクラ、シラカンバ、ハンノキ、コナラ、オオナラといった木々の花粉を運んできます。これらの花粉に過敏な人には、いろいろなアレルギー症状が出てきます。くしゃみ、鼻水、鼻づまり、目の充血、かゆみ、せき・・。目の症状を除けば、普通の風邪の症状と同じです。これに熱感や発熱が加わると、ますます風邪と似た症状になります。さらに、胃腸障害や頭痛、関節痛などの神経症状が出てくる人もいます。これらの症状の元凶がすべて花粉であることから花粉症という病名が生まれたのです。
春の花粉症の中で最も多いのがスギ花粉症でしょう。セルフケアとしては、外出時に、帽子、マスク、めがねをして花粉症をできるだけ体の中に入れないようにします。そして、花粉情報に注意し、花粉飛散が多いときには外出を控えるようにします。家にいる場合でも、花粉飛散が多いときには窓を開けないようにします。外出する場合には、花粉がつきにくい、落としやすいコートを着るようにしましょう。そして、外出から帰ったら、すぐに洗顔、うがいをすることです。
症状の悪化因子でもあるストレス、睡眠不足、飲みすぎなどを抑えることも大切です。花粉症の症状が強い場合には、かかりつけの医師の診察を受けてください。