Dr.石川のちょっと健康相談 vol.24
テレビやラジオでおなじみの石川恭三先生(杏林大学名誉教授・医師)に日常生活に感じるちょっとした不調について解説していただきます。これを機に、自分のカラダに目をむけてみてはいかがでしょうか。
3月のテーマは「動悸がする」です。
3月「動悸がする」
ちょっと階段を上っただけなのに、心臓がドキドキした、横になってテレビを見ていただけなのに、突然、心臓がドキーンとしたなどの動悸は、大抵の人が一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
動悸とは、通常感じない心臓の拍動を不愉快な気持ちで感じることです。動悸の原因はいろいろありますが、その多くは不整脈によるものです。そのなかでもっとも苦痛なのは、脈が突然早くなって、心臓が飛び跳ねているように感じる頻脈でしょう。この主な原因として、狭心症や心筋梗塞などを引き起こす冠状動脈(心臓に酸素と栄養を供給している血管)の動脈硬化があげられます。
激しい運動をしたときなどにも、頻脈状態になって心臓はドキドキしますが、これは、運動に見合った血液をカラダ中に送るために心臓が働いているので、心配いりません。
また、緊張しているときもドキドキしますが、これは自律神経のうち、心臓の拍動を早く、強くする神経(交感神経)が興奮してそうなるわけですから、これも緊張がほぐれれば治まります。
脈が抜けるようにドキーンと感じる動悸があります。これは期外収縮という不整脈で、心臓の中のいつもとは違うところから脈が出た場合に起こります。この不整脈は、多くの心臓病、たとえば、冠状動脈硬化症、心不全、弁膜症などでしばしば見られます。
また、ストレスの多い生活、睡眠不足、タバコの吸い過ぎ、コーヒー・紅茶・緑茶など、カフェインが含まれているものを多く摂取したことが原因になっていることがあります。
このような動悸に加えて、ほんのわずかな運動で息切れがする場合は、心臓の働きが低下している(心不全)ことも考えられます。なるべく早く、かかりつけの医師の診察を受けてください。