Dr.石川のちょっと健康相談 vol.15
テレビやラジオでおなじみの石川恭三先生(杏林大学名誉教授・医師)に日常生活に感じるちょっとした不調について解説していただきます。これを機に、自分のカラダに目をむけてみてはいかがでしょうか。
今月のテーマは「頭痛がする」です。
6月「頭痛がする」
頭痛は大きく3つに分けられます。その第1は、アイスクリームなどの冷たいものを食べたり、二日酔いや疲れたときなどに認められる心配のない頭痛、第2はくも膜下出血、脳腫瘍、慢性硬膜下出血、髄膜炎といった頭の中の病気によって起こる心配な頭痛、そして第3は脳には異常がないが厄介な慢性頭痛です。
ここでは慢性頭痛についてお話します。
慢性頭痛には、片頭痛、群発(ぐんぱつ)頭痛、緊張型頭痛の3つのタイプがあります。片頭痛と群発頭痛は耐え難いほどの痛みで、いずれも脳の血管が拡張して周囲の神経を刺激するための痛みです。緊張型頭痛は対人関係などの精神的なストレスやパソコンなどの作業でずっとうつむいた姿勢でいるといった身体的なストレスにより、脳内の痛みの調節機構がうまく働かなくなったために生じるものです。
片頭痛は女性に多く、男性の2倍とされ、生理の前に痛みが出るなどホルモンの影響があります。痛みは数時間から数日続きます。頭の片側または両側がズキズキと拍動するように痛み、頭痛のときには光や音に敏感になります。
群発頭痛は男性に多く、女性の10倍で1年のほぼ決まった時期や1日のある時間帯に起こり、目の奥がえぐられるような強い痛みです。
緊張型頭痛には男女差はなく、ほぼ毎日でも認められ、長時間続くことがあります。頭全体が締め付けられるような痛みやフワッとするめまいを同時に認めることがあります。また、頭や肩や背中が凝ったりします。
慢性の頭痛に慣れている人でも、いつもと違う頭痛の原因が生じていることもありますので、ときどきはかかりつけの医師に診てもらってください。